第6章 出入国、税関、関税など

1.出入国時「特別待遇」

本協定 第8条第2項

 合衆国軍隊の構成員は、旅券および査証に関する大韓民国法令の適用から免除され る。合衆国軍隊の構成員、軍属およびに彼らの家族は、外国人登録およびに管理に関す る大韓民国法令の適用から免除される。しかし、大韓民国領域内で永久的な居所または住所を要求する権利を取得するものと認定されない。

本協定 第8条第4項

 軍属、彼らの家族および合衆国軍隊の構成員の家族は、合衆国当局が発給した適切な 文書を所持し、大韓民国に入国したり出国するにおいて、または大韓民国に滞留する間、 彼らの身分が大韓民国当局によって確認されるようにしなければならない。

上の二つの条項を整理すれば、次の表の通り。

  特恵事項 出入国時に必要な書類
米軍 大韓民国出入国 身分証明書(別名IDカード)と出入国の目的が
記録された命令書(配属証明書、休暇証の類)
米軍の家族
米軍属と家族
外国人登録免除 適切な文書

編集者 注)大韓民国出入国管理法第31条によれば

  1. 外国人が大韓民国に入国しようとする時には、有効な旅券または船員手 帳と法務部長官が発給した査証(ビザ)を持っていなければならず
  2. 大韓民国に滞留しようとする外国人は、法定の外国人登録をしなければ ならない。

ただし、1.駐韓外国公館(大使館と領事館を含む)と国際機構の職員および、その家 族、2.大韓民国政府との協定によって、外交官または領事と類似した特権および、免 除を受ける者とその家族、3.大韓民国政府が招請した者などで法務部令が定める者は、 2.を免除される。

 旅券とビザ無しに出入国が可能な米軍の特恵を悪用し、主に民間外国人が米軍の身分証で不法出国する犯罪が誘発されている。(米当局が身分証明書管理をなおざりにするせいで証明書の偽造がたやすく、偽造身分証売買が頻発する。)

【事例】

 4日、金浦出入国管理所によれば、さる2日にフィリピン人のレオシオ・ビクトル氏(29)が、米軍身分証(IDカード)と休暇命令書を所持し、金浦空港から米国に出国しようとして出国審査で摘発された。

 また、先月27日と3月1日にも、ゴンザレス・ジミー氏(22)とアンダルー・イルミナマ(37,女)ら2名が、やはり同じ手法で出国を試みようとしたところ捕まった。彼らは皆、英語を巧みに駆使し、実際の軍人のように見せるために頭を短く刈るなどの緻密な準備をして、出入国管理所側が摘発するのに困難をともなった。

 出入国管理所の調査結果、国内で不法就労している彼らは、京畿道議政府にある米軍専用クラブで、フィリピンブローカー、アベリノ・ボクナー氏(49)に米貨1千〜3千500ドルで自分の写真が貼ってある偽造した米軍IDと休暇命令書を購入した。

 ブローカー、ボクナー氏は、「ロンベル」という現役米軍人から米軍身分証を受け取り、ロンベル自身は自分の身分証を紛失したように申告した後、再発給を申請していたことが露見した。一方、昨年12月にもナイジェリア人9名が、同じ手段で金浦と金海空港から出国しようとして出国検査で米軍身分証偽造の事実が露見し摘発された。

 これにともなって法務部は、「米軍が身分証を不法滞留者などに提供することは、わが国の出入国管理に深刻な混乱を招来しているため、類似犯罪の再発防止に尽力して欲しい」という内容の公文を米軍当局に送る予定である。(朝鮮日報95,3,4)

 米軍属などの出入国は正確に規定されず、韓国政府の出入国管理に混乱を招来している。大韓民国出入国管理法の適用対象なのか免除対象なのかは言及せず、「外国人登録免除」という特恵事項のみ規定している。(上の第2項)

 ここに出入国書類を「適切な文書」とだけ表現(上の第4項)している。これは、旅券およびビザを持たなくても出入国できると任意に解釈することができる。

したがって、米軍属などは旅券を所持し、その身分を旅券に表示するという義務条項を置かねばならず、「適切な文書」を〔旅券、身分証およびその他韓国政府が身分確認に充分な事項が記載され、米当局が発行した文書〕を確実に定義することが必要である。

2.犯罪者の逃走幇助

本協定 第8条第5項

 本条約第1項にしたがって、大韓民国に入国した者が、その身分の変更によって前記入国の資格を持てなくなった場合には、合衆国当局は大韓民国当局にこれを通告しなければならず、また、その者が大韓民国から退去することを大韓民国当局が要請した場合には、大韓民国政府の負担によらず、相当な期間内に大韓民国から輸送することを保障しなければならない。

 米軍属などが解雇などで身分が変更される時、米軍当局が韓国当局(法務部)に事実を通告するが、通告時限が言及されていない。米軍当局は、1ヶ月になろうと1年になろうと通告だけすればいいので、その期間、米軍属などの身分で引き続き特恵を付与されるようになり、犯罪者の場合は他国への逃走が容易である。

 したがって、身分が変更されれば、すぐに韓国法務部に即時通告しなければならない。

 また、「相当な期間」を具体的に30日以内と決め、〔退去要請後30日が経過した後には大韓民国当局が強制追放または強制出国させることができる。〕という強制規定も設けなければならない。

 現行条項には、米軍用飛行場を通した出入国が韓国政府に通告すらされず、出入国人員の数値すら把握が不可能である。これもまた、国内で犯罪を起こした米軍、米軍属などの逃走の可能性が高い。

【事例1】

 韓国人女性を凶器で刺した嫌疑で起訴され、1審で実刑を宣告された米8軍軍属が、宣告直後、金浦空港を通して米国に逃げた事実が明らかになった。この事件は、刑事裁判手続きが終わる時まで犯罪人の身辺管理を米側でするようになっている韓米行政協定を利用し、米軍当局が犯人の逃走を黙認した可能性があり、外交問題に拡大するものと見られる。

 8日、ソウル地検刑事6部によれば、傷害嫌疑で起訴され、さる4月13日、ソウル地裁刑事7単独、金ドンファン判事から懲役8ヶ月の実刑を宣告された米8軍軍属ジェームス・K・リー(34)が、宣告直後の午後、民間人旅券を利用してノースウェスト便で出国したということだ。

 リーは、韓米行政協定によって不拘束状態で裁判を受け、宣告公判日にも米軍憲兵の護送を受けて帰った。検察は、「米軍当局が3日後、『リーが逃げたようだ』と通報してきてリーの出国事実を知るようになった」としながら、「韓米行政協定上、犯人の身辺管理は全的に米国側の方ですることになっており、別途に出国禁止措置はとらないでいた」と明らかにした。

 検察はまた、「米軍当局がリーの旅券を押収したが、別の旅券を利用して出国したものと理解している」とし、「米軍当局が控訴審裁判に彼を出席させるならば問題にならないだろう」と明らかにした。(ハンギョレ95,6,9)

【事例2】

 韓国人女性に暴行した嫌疑で韓国警察の捜査を受けてきた米国人が、こっそり出国した事実が遅れて明らかにされ物議を醸しだしている。27日、大邱南部警察署によれば、韓国人の同居女性を暴行した嫌疑を受けている前米軍属ラルストン・クレメンツ(47)が、さる23日、金浦空港からフィリピンに出国した事実がこの日確認されたのこと。

 米8軍海外軍納販売部に勤務したクレメンツ氏は、同居中であった朴某(女性:25)に暴行して全治2週間の傷を負わせた嫌疑で告発され、警察から、さる24日に出頭するように通報を受けた状態だった。

 これに先立ち警察は、さる17日、米憲兵隊にクレメンツ氏の旅券を押収してくれるように要求、米憲兵隊から旅券を受け取ったが、クレメンツ氏は米大使館から新しい旅券を発給されて出国したものと明らかにした。

 この事件と関連して米軍当局は最近、クレメンツ氏を解雇して米大使館側がこの事件の波紋が拡大することを憂慮し、クレメンツ氏の出国を慫慂したものと判明した。(朝鮮日報 96,1,27)

【事例3】 チョン・ヤンファン氏事件

 チョン・ヤンファン氏は94年5月、ソウルの龍山洞漢南ビレッジ前で米軍民間車両と車線をめぐって争い、米軍憲兵2名に不法連行され、手錠をかけられて監禁されたまま5時間の調査を受けた。

 この事件は、韓米行政協定の出入国管理の問題点をよく物語っている。チョン・ヤンファン氏は、事件が起こった5月頃に米軍憲兵2名を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。

 しかし、米軍当局の受付拒否で1年あまり引き延ばされた後になって、米軍達が出国してしまったという事実を知るようになった。訴訟が提起されて2ヶ月後の94年7月、米国に帰国してしまったのである。したがって、当事者達がすでに出国してしまった後だと訴訟を進めることが無意味になってしまった。

 結局、チョン・ヤンファン氏は、何の理由もなく監禁されたというのに、加害者の処罰はおろか、損害賠償請求訴訟すらできなかったのである。米軍側は、帰国事実を10ヶ月間我が政府に知らせなかったが、韓米行政協定によって米国側は、いつであれ通報だけすればよいので、10ヶ月後に通報すれば適法なのだ。

3.韓国経済の毒キノコ、駐韓米軍

本協定 第9条第2項

 合衆国軍隊(同軍隊の公認調達機関と第13条に規定された非歳出資金機関を含む)が、合衆国軍隊の公用のため、または合衆国軍隊、軍属および彼らの家族の使用のために輸入するすべての資材、需用品および備品と、合衆国軍隊が専用する資材、需用品および備品または合衆国軍隊が使用する物品や施設に最終的に合体される資材、需用品および備品は、大韓民国への搬入が許容される。このような搬入には、関税およびその他の課徴金が負荷されない。前記の資材、需用品および備品は、合衆国軍隊(同軍隊の公認調達機関と第13条に規定された非歳出資金機関を含む)が輸入したものであるという意味の適当な証明書を必要としたり、または合衆国軍隊が専用する資材、需用品および備品または同軍隊が使用する物品や施設に最終的に合体される資材、需用品および備品においては、合衆国軍隊が前記の目的のために受領する意味の適当な証明書を必要とする。本項で規定された免税は、合衆国軍隊が同軍隊から軍需支援を受ける統合司令部傘下の駐韓外国軍隊の使用のために輸入した資材、需用品および備品にも適用する。

 駐韓米軍が共同で使用したり(米軍部隊の中で運営する食堂、PXなどの税金を出さない非税出資金機関を含む)、米軍と家族、米軍属と家族の使用のために輸入される各種物品は、関税およびその他の課徴金を免除する。そして、搬入時に適当な証明書を提出すると規定したこの条項は、「非税出資金機関」の運営に必要な物品(例えば肉、飲料水などの食料品、各種工産品など)に何の規制も無く、「家族の使用」という漠然とした概念のために物品の量と品目が制限無く輸入されている。免税特恵があるために、この条項を悪用して不必要に過多な物品を輸入することができる。

【事例1】

区 分 一人当たりの米消費量
韓国人(農林水産部94年末統計)
日本人(農林水産部94年末統計)
米軍、米軍属(国際農業開発院93年資料)
110s
69s
23s

88年の米上院兵站課の発表数値によれば、米軍用として国内に入って来る米が一人当たり延べ77sだという。

 しかし、上の表と比較すれば、消費される米の量と大きな差を見せている。その上に、米軍はパンと肉を主に食べるために、実際の米消費量は上の表よりはるかに低いものと知られている。それならば、消費されて残った米54sはどこに行ってしまったのか? そのまま捨ててしまうはずはない。残りは米軍PXなどを通して国内市場に不法流出されるのである。輸入量を制限しないため生じる問題である。

【事例2】 米軍PX米不法流出推定額(1995年、4,16メトロポリタン)

年間消費量
不法搬出量
市中流通価格
1988〜1992
合計数
3,480s
3,000s
1,230ウォン/1s
3,000s×5年
18,450,000ウォン

【事例3】

 水原税関ソンタン出張所は8日、米軍事郵便を利用して登山装備を持ち込み、市中で販売した高スイル氏(36,大田市中区銀杏洞53)を関税法違反嫌疑で拘束した。

 登山装備販売業を営む高氏は、さる8月頃、自分と親交のある米空軍兵士に頼み、米国から登山用品3,150ドル相当を軍事郵便を通して持ち込んで販売するなど、先月の20日までに、同じ方法で9,200ドル相当の各種登山装備を持ち込み、55万ウォンの関税を脱税した嫌疑を受けている。(朝鮮日報95,11,8)

4.無制限な関税免除

本協定 第9条第3項

 合衆国軍隊の構成員、軍属および彼らの家族に託送され、またはこのような者たちの使用に提供される財産には、関税およびその他の課徴金を負荷する。ただし次の場合には関税およびその他の課徴金を負荷しない。

(イ)合衆国軍隊の構成員や軍属が、大韓民国で勤務するため最初に到着した時に、または彼らの家族がこのような軍隊の構成員や軍属と同居するために最初に到着した時に使用するために輸入した家具、家庭用品および個人用品。
(ロ)合衆国軍隊の構成員や軍属が、自己または彼らの家族の使用のために輸入する車両と付属品。
(ハ)合衆国軍隊の構成員、軍属および彼らの家族の使用のために、合衆国内で通常的に購入される種類の合理的な量の個人用品および家庭用品として、合衆国軍事郵便局を通して大韓民国に郵送されるもの。

第9条に対する合意議事録2項

 本協定第3項(イ)は、貨物の船積みと所有者の施行が同時に行われねばならないということを要したり、または、船積みが1回でなければならないということを要するものではない。これと関連して、合衆国軍隊の構成員や軍属および彼らの家族は、彼らが最初に到着した日から6ヶ月の間には、合理的な量の家具、個人用品と家庭用品を関税の負荷無しに輸入することができる。

 この条項は、米軍属などの個人的な使用のための財産には関税を負荷するというようには定めている。

 しかし、(イ)(ロ)(ハ)但し書き条項で、ほとんどすべでの財産に免税特恵を再び付与している。すなわち、韓国に引っ越してくる時に持ってきたすべての荷物をはじめ、到着した日から6ヶ月までは、回数の関係なく思う通りに輸入することができ、車両と付属品、米軍事郵便局を利用したすべての物品はいつでも輸入が可能だ。

 その量と品目は、「合理的な量」、「個人用品および家庭用品」とだけ規定し、実際すべての物品の輸入を制限無く可能にしてしまった。

【事例】

 ソウル地検刑事4部の金ハックン検事は23日、虚偽搬出証を作成して1億ウォン相当の米軍免税品を横流しして、市中に流通させた駐韓米軍交易処職員、洪興杓氏(58)ら3名を特殊窃盗および関税法違反嫌疑で拘束起訴した。

 検察によれば、駐韓米軍交易処販売員であった洪氏らは、さる8月から7度にわたってソウル龍山区漢南洞外人アパート免税店で、洋酒500余瓶と掃除機60台など、駐韓米軍およびその家族に供給される1億200万ウォン相当の免税品を密搬出、市中に流通させた嫌疑だ。(東亜日報95,9,23)

5.税関検査の免除

本協定 第9条第5項

 税関検査は次の場合にはこれを行わない。

(イ)休暇命令ではない命令に従い大韓民国に入国したり、大韓民国から出国する合衆 国軍隊の構成員
(ロ)共用の封印がある公文書および共用の郵便封印があり合衆国軍事郵便経路にある 第1種
(ハ)合衆国軍隊に託送された軍事貨物

本協定第9条に対する合意議事録第3項

 第5項(ハ)に規定された『軍事貨物』というのは、武器および備品のみに限定されるものではなく、合衆国軍隊(同軍隊の公認調達機関と第13条に規定された非税出資金機関を含む)に託送されたすべての貨物をいう。非税出資金機関に託送された貨物に関する適切な情報は、定期的に大韓民国当局に提供される。適切な情報の範囲は合同委員会がこれを決定する。

 米軍が、出張などを名目に高価な電子製品、淫乱書籍などを輸入しても、税関検査が免除(上の第5項)されて規制が難しく、軍事郵便局を通る物品や非税出資金機関に輸入されるすべての物品の税関検査も無条件免除(上の合意議事録第3項)にしており、これを悪用することができる。また、PX物品不法流出で、米、肉などの食料品が国内市場に公々然と出回っているのが現実だ。その上、輸入される過程で、細菌、農薬などの有害物質が含まれるかもしれず、国民健康の危険要素となっている。

6.なおざりな税関検査

本協定第9条に対する合意議事録第5項

 大韓民国税関当局は、第9条の規定に依拠した物品の搬入に関連する乱用、または違反があると認定する時には、合衆国軍隊当局に対してその問題を提起することができる。

本協定第9条に対する改正了解事項

  1. 合衆国軍事郵便局の経路を通して配達される郵便物に対する大韓民国税関検査官の 検査に関する細部手続きは、別途の施行合意書に規定される。
  2. 大韓民国税関当局は、移住物品や個人般積貨物が軍隊構成員個人、軍属または彼らの家族から郵送される時、彼らの宿所で彼らの立ち会いのもとに合衆国当局の検査に参席することができる。このように大韓民国税関当局は、合衆国当局のどのような予定された検査も立ち会うことができる。特定貨物に禁輸品または合理的ではない量の物品が含まれたことが深刻に疑わしいという大韓民国税関当局の適切な事前通報があれば、合衆国当局は予定されない検査も準備する。大韓民国税関当局は、宿所で、そしての構成員個人、軍属または許可された要員の立ち会いのもとで、そのような予定されない検査に参観する機会が付与される。
  3. 大韓民国関税当局は、駐韓米軍の公認された調達機関と、第13条に規定された非税出資金機関を含め、駐韓米軍に託送された軍事貨物に対する税関検査を行わない。非税出資金機関に託送された貨物に対しては、合衆国当局が大韓民国当局に定期的に貨物目録と船積み書類を含めた関連情報を提供する。その他の関連情報は、要請にしたがって、合同委員会または免税物品不法取り引き臨時分科委員会を通して提供される。

 税関検査が免除される場合でも、高価品や淫乱物などと適度な量の物品が含まれたものだと疑わしい場合、食品など国民健康と直結した品目などには、韓国の税関当局が直接税間検査を通して、違反時に当事者を処罰し、輸入を拒否できる権利が無くてはならない。 しかし、現条項には「問題を提起できる」、「米当局の検査に参加することができる」、「立ち会いができる」、「参加する機会が付与される」とのみ、韓国政府に権利を付与している。

 直接に被害を被っている韓国に、この程度の権利しか付与されていないために被害を防ぐことができない。特に、非税出資金機関に対する無条件税関免除は、米軍PXなどを通した免税物品の不法流出の深刻さを鑑みる時、米当局の立ち会いのもとに税関検査が必要である。

【事例】

 今年から輸入が自由化された米国産加工チーズに、防腐剤用合成保存料であるソルビン酸が使用されていると明らかになった。13日、韓国消費者保護院が、国内で流通中の米国産チーズを回収し調査した結果、クラフト社など米国有名乳加工会社の相当数が、国内許容基準値以下ではあるが、防腐剤の一つであるソルビン酸を使用したものと明らかになった。

 国内加工チーズ製造業体の大部分は、消費者が防腐剤使用に対する拒否感を持っており、チーズにソルビン酸などの防腐剤を使用しないでいる。

 ソルビン酸は許容基準以下で使用すれば人体に害が無く、最も多く使用されている食品保存料だが、食品専門家達は、許容基準以下でも防腐剤など科学添加物は出来るだけ食べないのが良く、過度に摂取しないのが望ましいと指摘している。

 国内チーズ製造業体の中で、大型業体であるとソウル牛乳、南陽、ヘテ油業など3社は、ソルビン酸を使用しないでおり、他の業体も使用を自制しているのが現状だ。

 一方、クラフト社チーズは、50年代末に米軍PXを通して市中に流出し、韓国人に本格的にチーズの味を広めた製品だ。(韓国日報 95,6,14)

7.金儲けする駐韓米軍

本協定 第14条

 合衆国軍隊は、それが大韓民国内で保有、使用または移転する財産に対して租税またはこれに準ずる課徴金を負荷されない。

 この条項は、あまりに包括的で悪用事例が多い。課税の負荷がされない米軍部隊内の食堂や売店、ゴルフ場などで、価格が安い点を利用して韓国人を対象に商売をするなど、莫大な被害を与えている。

 したがって、米軍施設や区域外にある財産の保有、使用、移転に対しては租税を負荷し、米国当局の管理や統制下にない非歳出資金機関や米国当局の管理や統制下にあっても、商業上の利潤を追求するための非税出資金機関の運用に対しても租税を負荷しなければならない。

【事例1】

「米8軍が運営するクラブと洋食堂が、全国に110余カ所。スロットマシンだけでも6千余台、ゴルフ場が7カ所にもなるという。その数字の多さも問題だが、昨年の売出額が、およそ2,900余億ウォンにもなるというから驚くほか無い。一月平均200億ウォンを超える額だ。それだけではない。駐韓米軍がスロットマシンで稼ぎ出した金の内、運営費を除外した収益金から、税金びた一文出さす、1千億ウォンを米国防部に送金したというから全く納得しがたい。」(国民日報 95,3,18)

【事例2】

非税出資金機関のSOFA悪用実態(国民日報95,3,17参照)

  ゴルフ場 洋食堂 スロットマシン
全国規模 議政府、東豆川、郡山、烏山、大邱、城南、春川 120余 6千余台
94年収益金 191億ウォン 245億ウォン 2,500余億ウォン
(一週間平均48億ウォン)
80%韓国人利用客
平均利用客 平日100〜150名
週末250〜400名
80%〜90%韓国人
1日平均200名 以上、70%〜80%韓国人  
料金 年会費40万〜50万ウォン
加入費特別会費の名目で、年間200万〜300万ウォン
追加使用量1回あたり3万〜5万ウォン
ステーキ
1万ウォン〜1万3千ウォン
 
その他 米国当局は、ゴルフ場を利用ができる韓国人会員でなくても、会員と同行すれば会員でなくても利用を可能にしている。従って、実際に外務部登録人員が一千3百余名より3〜5倍近い韓国人がゴルフ場を利用している。   韓国人がまいた金2千億ウォン

【事例3】米軍部隊祭りを口実、商売する駐韓米軍

 全国に散在している米軍部隊では、1年に2回春、秋祭りをする。「米軍部隊フェスティバル」と呼ばれるこの祭りは、名目は韓米親善のためだとしているが、実際には韓国人を相手に不法に商売をしている。

 我々の土地なのに、平素は一歩も踏み入れられないが、この祭りの時には米軍側が部隊を開放するために誰でも米軍部隊に入ることができる。しかし、韓米親善のためだとして各種行事を行いながら、一方ではPXなどにある各種物品を売る。課税が付加されない物品であるため、市中価格より相当に安い。(事例4参照) このため、韓国人が物品購入のために全国から貸し切りバスまで借り切って集まっている。

 韓米行政協定によって物品の量や品目が制限なく輸入されるため、食料品から工産品、ゴルフセットなどの高価品まで、多様に多量に購入することができ、商人や一般人達の購買欲が刺激されるのだ。米国独立記念日にも同じように部隊を開放、不法商売をこととしている。これは国内の商取引秩序を乱し、収益金の金額に課税も負荷されず、そっくりそのまま米軍当局の財産となるために深刻である。

【事例4】

米軍PX価格と国内価格比較

品 目 米軍PX価格 韓国価格
牛のテール1.4s 12,000ウォン 42,000ウォン
カルビ1.4s 12,000ウォン 20,000ウォン
牛肉1斤 5,600ウォン 10,000ウォン
米4.5s 2,300ウォン 農協米20s基準33,000ウォン
ハム5s 26,000ウォン 約36,000ウォン(300c2,200ウォン)
チーズ72枚 11,000ウォン 18,000ウォン
ビール(バドワイザー) 1本当約350ウォン 3,000ウォン〜5、000ウォン
コーラ 1ヶ当約250ウォン 550ウォン

集中探求

「米軍属身分証」をむやみに発給する駐韓米軍

東亜日報 95,5,16

 米8軍ゴルフ場免税店、食堂などの米軍営内各種便宜施設利用など26種類の恵沢を受けるために、米軍属(SOFA)身分証を買い付ける「嘆かわしい韓国人」がワンサと摘発された。

 彼らの中には、有名成形外科医師、会社代表など、社会の指導級人士達が相当含まれており、「最小限の市民意識すら」失ったのではないかという嘆きを生むようになった。これらの人士達が、最高1,200万ウォンまで出して米軍属身分証を手に入れようとした理由は、米8軍ゴルフ場出入りなど、駐韓米軍および米軍属のみが受ける特恵を無条件に得てみようという心理から始まった。

 この身分証は、一般によく知られている米軍部隊出入り証とは異なる。この出入証は、営内勤務者である韓国人勤労者、韓米親善友好に寄与する地域の有志などに限定発給されており、営内食堂などを制限的に利用することができるのみである。米軍属身分証は、最近、闇取引で物議を醸したこの部隊出入り証より米軍営内で何倍も効力がある。

 このために、米軍属身分証は、虚栄心に目のくらんだ人士達に、部隊出入り証よりもっと輝く「身分象徴カード」として思われたものだと警察関係者は語る。成形外科医として名声の高い洪ソンホ氏兄弟は、この身分証で日立のTV、ゼネラル洗濯機、乾燥機、冷蔵庫など、高価な外国製家電製品を市中価格の30%程度の免税価格で購入したことが明らかになった。

 会社代表の車ヨンソプ氏は、昨年暮れ、龍山米8軍部隊を数回出入りして、この神通力のある身分証を求める方法があるという噂を伝え聞き、「はっとするような耳寄りな話し」だったという。資産家である車氏は、1,200万ウォンという巨額を使って米軍属身分証を発給された後、米軍営内ゴルフ場、食料品店など、各種便宜施設の顧客となった。

 今回、摘発された人達は、このような米国便宜施設物利用以外に、「身分偽装用」などの多様な目的で身分証を不法発給を受けたと調査された。米国市民権者である訶・スティーブ・ソンギョン氏(34)は、離婚した後に一定の職がなく、再婚する相手を探せずに、職業があるかのようにだまして結婚する目的でこの身分証を発給された。エディ・尹氏(39)は、米国に居住していたが入国した後、韓国語を全くできない息子を米8軍営内学校に送るため、1,000万ウォンを払って郵便物管理職員であるかのように雇用契約書を偽造し、米軍属身分証を発給されたと判明した。

 警察は、問題の身分証が、米軍属職員が提出した雇用契約書のみで事実如何の確認なく簡単に発給されるため、身分証の闇取引の規模が更に大きいものと推定している。

 上のような事件は、特恵を利用しようとする韓国人も問題だが、助長する米軍側と韓米行政協定により大きな原因がある。様々な特恵が保障される米軍属の出入証を特別に管理せず、雇用契約書一つだけで簡単に発給し、発給を要求した当事者と発給をしてやった関係者達を厳重に処罰しないためである。米軍身分証と米軍部隊出入証も同様である。

 米軍側のこのような不徹底な管理に異議を定義し、是正を要求することのできる権利が韓国政府に保障されない限り、このような事件の再発を防ぐことは困難である。

 また、現行韓米行政協定によって課税免除、税関検査免除を通して膨大な量の物品が韓国に輸入され、多様な方法で韓国人に販売されているのが現実だが、韓国政府はこれを防ぐ方法がなく、ましてや、米軍側はこれを悪用しているためである。駐韓米軍と米軍属などには過剰に多くの特恵を付与し、特恵濫用防止のための具体的な規定を設けていない韓米行政協定を改正してこそ、このような弊害被害を防ぐことができる。


8.その他の条項

ハングルと英語の解釈上の差異がある時は英語本が優先する。

本協定 第31条

 韓国語と英語で本書2通を作成した。両本は同等に正文だが、解釈に相違がある場合には英語本に従う。

 上の事項で、二国の協定が同等に正本であるとしつつも、解釈上の差異で問題が生じた場合、無条件に英語本を優先視することで主権国家としての威信を失墜させている。

 これはあたかも1945年9月8日、米軍がこの地に進入した後、米国太平洋方面陸軍司令部布告文第1号<朝鮮人民に告げる>第5条の恥辱的な文句をそのまま受け継いだ様であり、今の現実を改めて見せている。当初から北緯38度線以南の朝鮮と朝鮮住民に対して軍政を実施し、占領軍の立場を明確にした米軍は、下のように明らかにしている。

 「第5条、軍政期間においては英語をすべての目的に使用する公用語とする。英語原文と朝鮮語または日本語原文に解釈または定義が不明分であったり同じでない時は、英語原文を基本とする。」

 この国が解放されて半世紀もの分断時代を締め切って統一に向かう96年、大韓民国は米国との関係において主権が喪失された基本状況は、それほど大きな変化がないことを知ることができる。

 ところで91年に改正された了解事項第26条には、「両本は同等に正本である。本協定解釈または理解に関する両国間の意見の差異は、合同委員会を通して解決する。合同委員会でこの問題に対して合意に達せない場合、同事項は両国政府間外交経路に回付される。」となっている。

 上の内容は91年2月1日に改正された内容の一部である。韓国の主権を全面的に否定する本協定31条とは違い、解釈上の差異がある時には、合同委員会や両国政府の外交を通して解決しなければならないことを明らかにしている。しかし、上の改正了解事項は、本協定の下位概念で本協定を強制する効力がない。互いに相異なる内容をそのまま盛り込んでいる韓米行政協定の粗末さが、そのまま表れた一節である。


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