ピョンヤン現地取材―ブッシュ政府を眺める北韓の見解

                                    鄭己烈(チョン・ギヨル)

 筆者は、去る3月30日〜4月3日までピョンヤンに滞在した。

 今回の滞在は、「米軍虐殺蛮行真相糾明 全民族特別調査委員会」(全民特委)が、7千万民族の名前と全世界の良心の名前で、2001年6月23日にニューヨークに設置する「コリア国際戦犯法廷」を準備するためのことだった。

 昨年9月の訪問に続き、半年ぶりにまた行なわれた訪問だった。4月初めのピョンヤンは、ソウルや北京より風も天気もまだ冷え冷えし、春には遠かった。

 北韓同胞たちが10年近く抱えている冷害問題は、今年も例外ではなかった。冷害をはじめ、他の自然災害問題などは、北韓の同胞たちの食料事情と経済をより一層難しくさせていた。

 筆者を乗せた車は、冷害と戦って田畑で忙しく春の播種期をやっている北韓の同胞を、速くかすめ過ぎた。

●朝米関係に連動にしたコリア国際戦犯法廷

 今回の訪問の主要目的は、ニューヨーク戦犯法廷に提出する「全民特委 米軍虐殺蛮行共同白書」を製作するために、全民特委北側本部が所有している虐殺蛮行関連資料を確保するところにあった。

 また●北韓に居住する虐殺蛮行被害者と遺家族に対する実体把握●被害者・遺家族代表などの戦犯法廷参加問題●戦犯法廷に国際共同検事団(首席検事・クラーク前米法務長官)の名前で提出される、国際共同起訴状 作成に対する北韓法律家たちとの討論などの目的も持っていた。

 今回の訪問で筆者は、主に全民特委北側本部のリ・ヨンイル副委員長をはじめとする関係者たち、国際民主法律家協会所属団体で、1954年に結成にされた「朝鮮民主法律家協会」のパク・ヨンギュン書記長をはじめとする関係者、「朝鮮反核平和委員会」キム・ソン書記長をはじめとする関係者と会った。

 昨年、6・15南北共同宣言以後から最近に至るまで、全民特委北側本部は戦犯法廷準備に伴なう、いろいろな事業などで慎重な歩みを行なってきた。

 北側本部は、戦犯法廷設置に対して原則的には同意し協調するものの、事業の全面に立つことを慎んできた。

 6・15以降から、今年はじめのクリントン行政府任期切れまで、朝米関係は分断以後最大の関係改善に接近していたためだ。しかし、ブッシュ行政府が登場して状況は変化し、その時から朝米関係は、ずっと下り坂を歩いている。

 早期間のこういう情勢変化は、戦犯法廷設置運動に慎重な動向をとり、率先しなかった北側本部の立場と態度に結局一定の変化を強制した。

 ノグンリ米軍虐殺蛮行問題に対する米政府の立場と態度問題をはじめ、最近、大邱・慶山と釜山などで進行している民間人集団虐殺地遺骨発掘問題、屈辱的な韓米首脳会談、そしてブッシュ行政府の対北強硬策などは、 戦犯法廷設置事業に新しい活力を吹き込んでいる。

 今回の訪問で筆者は、対米関連発言と行動で6・15以後、慎重な動向を行なってきた北側本部の立場と態度が、ブッシュ行政府の対北関連の動向とともに、急激に変わっていることを確認することができた。

 訪問前、最近の北側通信媒体を通じて、既に確認していた変化を実感した。

 労働新聞では、6・15以後に見ることができなかった「駐韓米軍撤収」主張が再び登場し、ニューヨーク 戦犯法廷設置をはじめとする米軍虐殺蛮行関連記事が新しく引用・報道されていた。

 ピョンヤンで会った北側の人々は「ブッシュ行政府が対朝鮮政策をはじめとする国際関係政策樹立で、まだ 基本枠組と方向設定さえ正しくできていない」という分析が、一般的であった。

 国際関係でブッシュ行政府は、まだまともな精神状態でないことという判断だった。

 彼らはまた、ブッシュ行政府が対北関係をはじめとする、ほとんどあらゆる国際関係で激しい左衝右突を経験しているということをよく知っていた。

 北側人士たちと筆者は、現情勢と関連して、いろいろな話を交わした。

 特別に朝米関係と関連した討論などの中で、北側人士は「米国が対外・国際関係で、一貫して堅持している 帝国主義的傲慢と不条理を黙過しない」という強い意志を表した。

 北側通信媒体も、また同じであった。

 米国が主権国家の自主権と尊厳問題に対して、是非を論じるならば、そのような不条理と是非を決してそのまま置いておかないという北側当局の明らかな意味を確認することができた。

 ピョンヤンとソウル訪問を終えて、米国に帰ってきた後に会ったニューヨーク北韓国連代表部のリ・ヒョンチョル大使からも同じ立場と態度を見ることができた。

 最近、一国連会議で、既にそういう北韓政府の立場と意味を明確に明らかにしたリ大使は、ブッシュ行政府の最近の動向に対して不快さを隠さなかった。

 北韓国連代表部は、国連会員国と常任理事国に配布する米軍虐殺蛮行関連資料を用意しようと忙しかった。

 6・15以後、ある程度望ましい方向に推進されていた朝米関係が、激しい風と暗礁にあい、漂流している 時、北側人士は、最近米国が見せている分断維持画策意図に対して強い不快感を表した。

 彼らは、分断の険しい峠を越えて、統一路に進もうという7千万民族の念願に制約を加えて、ことあるごとに障害を作り出すブッシュ行政府に対する憤怒を隠さなかった。

●朝米関係の下位構図に置かれた南北関係

 分断時代、全過程を通じて朝米関係は南北関係に優先した。

 それで北側人士は、朝米関係という構図に根本変化がない限り、南北関係で、そのどのような形態の根本変化も期待することができない判断を持っていているか分からなかった。

 この枠組が、去る3月の韓米首脳会談結果を眺める北側人士の基本理解構図である。

 去る半世紀、私たち民族の運命を思うままにしてきた分断構図に、そのどんな根本変化もないという現実を 北側人士も、今回の韓米首脳会談を見守りながら、もう一度せつなく経験したようだ。筆者に「韓米首脳会談をどのように見るのか」と尋ねた一北側人士から感じた切なさは、それまでのことでなかった。

 7千万民族の気管を締め付けて、私たち民族全体で話をつけることができない血の苦痛と難しさを、強要してきた分断構造は、6・15南北共同宣言以後、全民族的枠組と次元で起きている巨大な変化の風を前に、風前燈火とも同じだった。

 しかし、今回会った北側人士は、米国が分断と関連して行った自身のあらゆる過誤と問題に対して、懺悔を しても足りなく、私たち民族の願いであった統一に、むしろ障害と難しさを造成しているという認識を一貫して持っているようだった。

 最近、南北長官級会談をはじめ、南北赤十字 会談・南北サッカー単一チーム構成が霧散になるなど、6・15以後、しばらく急激な変化の風が、南北関係に一時的な難しさを造成させている。

 しかし、こういう情勢変化にもかかわらず、労働新聞をはじめとする北側通信媒体の対南関係発言は、まだ 変化がない。筆者は、北側当局が南韓に対しては、まだ慎重に対処しているという印象を強く受けた。米国に対する強い非難と糾弾とは違い、南側に対しては非難や内政干渉の問題にあたる表現を自粛しているようだった。

 南北関係を慎重に導き、半世紀ぶりに成し遂げられた、せっかくの南北和解と信頼雰囲気をどうにか生かししたいという強い意志の現れだ。

●願望より 切なさ

 韓米首脳会談と関連して、北側人士が持っている考えは、南側に対する非難とか願望よりも、切なさだった。

 彼らは、金大中―ブッシュ首脳会談で、再び克明に現れた韓米関係の本質を、同じ民族として胸痛く経験し、 また再び確認するようになったことが見える。

 韓米関係が、平等でないということは、昨日今日のことではない。すでに半世紀を、私たちはこのように生きてきている。

 筆者の判断には、最近、南北関係進展に一連の障害が造成されている根本理由を、ここで探してこそ正しいようだ。

 だから、南北関係で現れている一連の難しさの原因を、北韓から検索よりは、我々自らの境遇(韓米不平等関係)で探さなければならない。(韓国民族民主インターネット放送局4/24) 

 翻訳 韓統連大阪本部