【資料A】民間の自主規制/実効性まったくない
全面再交渉だけが唯一の代案である
BSE国民対策会議
政府が九十点と評価した米国との牛肉問題をめぐる追加交渉の内容が明らかになった。しかし、その内容は九十点どころか、国民の生命と安全を保障するものとは程遠く、欺まん的だ。
第一に、牛海綿状脳症(BSE)論議の核心は、BSEの特定危険部位(SRM)と骨・内蔵など、国民の健康を脅かす部位の輸入禁止だ。
しかし、今回の追加交渉でこの問題がまったく解決されなかった。内蔵と背骨は依然として輸入される。また脳、目、頭骨、脊髄などを輸入禁止したかのように言っているが、追加交渉の内容は輸入禁止でなく、民間輸入業者の自主規制だ。これさえも、BSEのSRMに指定されていない少量の頭小骨や脊髄組織が入ってくれば、これを輸入しなければならない。背骨、内蔵、舌、小腸、先進的食肉回収システム(AMR=高圧の下で枝肉から筋肉組織を取り出す技術で、BSE特定危険部位の混入の危険性が指摘されている)の肉、四骨、尾骨のような危険部位に対する輸入禁止も、まったくかちとることができなかった。
第二に、三十か月の月齢制限も実効性のない内容だ。
政府は三十か月未満の牛肉だけを輸入することにしたことを交渉の成果だと主張したが、これの実効性が保障できる輸出証明プログラムは、最初から要求すらしなかった。実効性のない業界の自主規制方式である米国内需用品質認証プログラムの品質管理制度(QSA)だけをもらって帰ってきた。米国の牛肉業者の民間自主規制方式で運営されるQSAプログラムでは、正確な月齢判定は不可能だ。
第三に、検疫権限を強化したと主張するが、輸出用作業場の承認権と取り消し権は依然として米国政府にあり、作業場の全数調査の権限さえ確保できなかった。政府が確保したという現地作業場の点検権は、一部の標本調査の作業場調査権だけなので、その作業場を調査して重大な問題を発見しても、作業場の取り消しや検疫中断ができない。実質的な調査自体も実現できるか疑問だ。
結局、今回の追加交渉は、政府が主張する九十点交渉どころか、政府が解決したと主張した三十か月未満のSRMおよび内蔵と骨の輸入問題、三十か月以上の牛肉輸入禁止問題、検疫主権問題のどれも解決できなかったという点において、再度の国民欺まん劇だ。
今回、再度明らかになったことは、追加交渉ではまったく問題を解決できないということだ。交渉無効・全面再交渉だけが、国民の生命と健康を守ることができる唯一の解決策だ。
政府は問題がまったく解決されない追加交渉を根拠にして、米国産牛肉の輸入告示を強行しようとする行為をただちに中断しなければならない。国民の要求を無視してこの告示を強行しようとするなら、国民の怒りはこれを容認しないだろう。国民の生命と健康を守ることができない「政府」には、政府の資格がない。われわれは国民の声を正しく聞き、国民のBSEにたいする不安を根本的に解消できる、全面再交渉だけが唯一の代案であることを明らかにする。
二〇〇八年六月二十一日
BSE国民対策会議