【主張】
国民の声に耳を傾けよ
先月二日から始まった米国産牛肉の全面輸入開放に反対するキャンドルデモがいまも続いている。その間、ほぼ連日中高生をはじめ多数の市民が自主的にロウソクを片手にキャンドル文化祭に参加している。文化祭は当初から、多数の市民が参加した。そしていま、キャンドルの炎は、李明博政権を追い詰めるまでに巨大な火柱となって国民の心を燃やしている。
牛海綿状脳症(BSE)国民対策会議は、数十万人が参加した七十二時間リレーキャンドル集会に続いて、六月民主抗争二十一周年を迎えた十日にはソウル八十万人をはじめ釜山、大邱、大田など全国八十か所で計百万人が参加する平和大行進を展開した。いまや国全体が「輸入開放反対」「李明博アウト」一色だ。もはや李大統領に選択肢はない。ブッシュ大統領との電話での口約束ではなく、正式の再交渉をしなければならない。
だが李政権を揺るがしている民心は、単に米国産牛肉の輸入反対だけにあると見るのは一面的に過ぎよう。連日、国民をキャンドルデモに駆り立てているのは、富裕層や大企業を優先する経済政策や、これまでの南北和解政策を否定するような独善的でごう慢な李政権の政策に対する国民の怒りである。
六・一五共同宣言八周年を迎え、北側地域の金剛山で南北・海外同胞が集まって六・一五民族統一大会が十五、十六日の両日開かれる。李政権はこの民族統一大会に非協力的で冷ややかだった。そればかりか、李政権は当初から盧武鉉政権が進めてきた六・一五共同宣言と十・四宣言に代表される南北和解協力政策を完全に壊し、「実用主義」「相互主義」を前面に掲げながら南北関係の大きな進展に冷水を浴びせる姿勢を見せてきた。
分断された朝鮮半島で南北関係が「視界ゼロ」から引き続き脱することができないでいる事実は、非常に深刻だ。西海上の偶発的な衝突が南北関係を取り返しのつかない状況に追いやる可能性もある。にもかかわらず、李政権は韓米同盟を金科玉条とし、それがなくては一日も成り立たないかのように、国民を誤導している。
しかし今回、各地の大通りを埋め尽くした国民は、それにNOを突きつけた。国民は韓米同盟六十年の不平等な構造による米国への極度の依存や従属政策を克服し、民族自主の精神を発揮する政策に転換すべきことを求めているのだ。
李大統領は今でも遅くない。本当に新たに始めようとするならば、国民の声に真しに耳を傾け、六・一五共同宣言と十・四宣言の精神に立ち返らなければならない。とくに隷属的な韓米同盟に埋没する対米偏重政策をただし、「わが民族同士」の理念に沿って閉そく状況にある南北関係を和解と協力、統一の時代へと、再び大きく舵(かじ)を切るべきであろう。
一方、日本政府も李政権に歩調を合わせて、冷戦思考的な対北敵視政策を継続して取り続け、在日同胞社会の和合に露骨に妨害している。李大統領が民族自主路線に確固と立つならば、日本政府の対北政策を転換させることにもつながろう。それが朝鮮半島の平和と統一、東アジアの平和と安定に寄与する道である。