【主張】
南北関係重視へ転換を
四月十九日に行われた李明博大統領とブッシュ大統領の韓米首脳会談で両首脳は、「韓米同盟」の再定義に合意し、七月に予定されている首脳会談で「韓米戦略同盟」への転換に関して一定の公式化に踏み出すようだ。会談後の記者会見で李大統領はこれを「二十一世紀韓米戦略同盟」と表現し、同時に北朝鮮に対して先に核を放棄するよう強調した。これに先立って李大統領は、安全性が疑われている米国産牛肉の全面輸入を決断した。国民の食の安全を犠牲にしてまでも強行される李大統領の韓米関係の「復元」と「強化」、「韓米戦略同盟」は何をもたらすのか。
周知のように米国は「テロとの戦い」を掲げ、アフガンとイラクで戦争を起こし、世界各地で緊張を激化させた。韓国がその米国と「戦略同盟」を結ぶことは、韓国が米国の戦争により深く関与することを意味し、イラクへの韓国軍の駐留継続にととまらず、他の紛争地域への派兵につながる危険きわまりないものだ。
われわれが最も憂慮するのは、駐韓米軍の役割拡大との関連だ。戦略的柔軟性の拡大によって、すでに駐韓米軍は北朝鮮に対峙(じ)することに加えて、中国はじめアジア地域の紛争地域に介入する軍事力へと再編されている。韓国が「韓米戦略同盟」に踏み込むことは、駐韓米軍のアジア地域への軍事介入を積極的に承認することを意味し、それは韓国軍が駐韓米軍のもとでアジアの戦争に動員されることにつながる。同時に、米国がアジアの戦争に介入すれば、韓国は自動的に戦争当事国となり、報復攻撃の対象になってしまう。われわれは緊張激化と戦争への道である「韓米戦略同盟」を受け入れることはできない。
朝鮮半島の非核化は、朝米交渉の進展によって重大局面を迎えている。いまこそ韓国は自主的な立場を堅持して朝米交渉が順調に妥結するよう、朝米間の仲介の役割を発揮すべきである。ところが、李大統領は韓米首脳会談で、北朝鮮の核放棄だけを強調して核問題の平和的解決に反対する米国の保守反動勢力に力を与えてしまった。当初、ブッシュ政権も北朝鮮に対して「先核放棄」を主張したが、すでに失敗した。失敗した「先核放棄」に李大統領が固執すれば、南北関係を改善することも、六者協議で影響力を強めることも、不可能だろう。
李大統領の誕生は、経済の回復を願う国民の期待だった。しかし、韓国経済をとりまく環境は厳しい。米国から始まった世界不況の流れが加速している。ここで経済回復のために最優先で留意すべきことは、南北関係を発展させることと、自国の農畜産業を保護育成することである。そうすれば韓国への投資リスクは軽減され、同時に民族経済圏を土台にしたアジア東北地域への跳躍を果すことができる。
李大統領は早急に誠実な南北対話を始めなければならない。六・一五共同宣言を固守し、十・四共同宣言を履行することを明確にすべきだ。二大共同宣言を軽んじ、南北関係を軽視する李大統領の現在の路線では、経済活性化の展望すら描くことは困難であろう。