【焦点】日本政府の対北朝鮮制裁 解除し対話すべき
延長反対の声高まる
日本政府は十一日の閣議で、北朝鮮籍船舶の入港全面禁止や全品目の輸入禁止などを盛り込んだ日本独自の対北朝鮮経済制裁の半年間延長を決定した。今回の延長措置は、〇七年四月、十月に続いて三度目の延長となる。延長の理由として、核問題で北朝鮮が六か国協議で約束した「完全かつ正確な申告」を行っていないことや、拉致問題で具体的な対応をとっていないことを挙げた。
しかし、朝米は三月のジュネーブに続いて、八日にはシンガポールで直接協議を行い、双方が進展を示唆、朝米が何らかの合意に至れば、制裁を続ける日本は微妙な立場に追い込まれるとの観測が出ている(四月十一日付 毎日新聞)。制裁延長を了承した十日の自民党外交関係合同部会では「制裁自体が目的になってはいけない」という懸念や、「北朝鮮の出方に応じ、制裁解除に関しては柔軟に対応すべきだ」という意見が相次いだという。
高村正彦外相も、閣議決定を受けて記者団に「北朝鮮が前向きの方向で行動するなら一部、また全部の解除も期間中でもありうる」と発言した。
北朝鮮への経済制裁に対しては、市民団体からも解除や延長反対を求める声が相次いだ。
韓統連と日韓民衆連帯全国ネットワーク(日韓ネット)などで構成する三・一日韓民衆連帯集会実行委員会の代表は三月三十一日、北朝鮮への制裁措置の撤回と日朝国交正常化に向けた交渉開始などを求める福田首相あての要望書を内閣府に伝達、申し入れ行動を行い、日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪でも、対北朝鮮制裁の解除を求める要望書を福田首相あてに送った。
八日には、総連が都内で「日本当局の不当な制裁措置の即時撤回を要求し、総連と在日同胞弾圧策動を糾弾する在日本朝鮮人中央大会」を開いた。
九日には、二日に東京都内で開かれた「東北アジアの平和と日朝国交正常化」集会の参加者の代表らが、首相官邸に町村信孝官房長官を訪ね、対北制裁措置の解除と国交正常化交渉の再開を求める福田首相あての要請文を手渡した。
今回の延長は、北朝鮮に対してなんら打開策を持てない日本政府にとっては既定方針だった。しかし自民党内では、こうした行き詰まりを打開するため「政府は米朝協議や六者協議などの進展次第で、制裁緩和や解除に踏み切る用意がある姿勢を示すべきだ」との意見もあり、こうした立場を表明する国会決議を探る動きもあるという。
朝米関係が大きく変化するなか、東アジアの平和体制構築に寄与するのか、それとも対北強硬政策の継続で情勢を緊張させるのか、日本の姿勢が問われている。