【焦点】軍事演習障害に/大きく動く可能性も
朝米の動きが進展へ
「核計画の申告―テロ支援国家指定解除」をめぐって、朝米に中国を加えたぎりぎりの交渉が展開されている。
東京新聞は二月二十八日付で、中国が朝米交渉を進展させるため、米国に対して一九七二年二月のニクソン訪中時に出された「上海コミュニケ」(共同声明)を参考に、核計画に関する朝米双方の主張を併記して文書化することを提案していると報じた。ウラン濃縮による核開発やシリアへの核拡散を否定する北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の立場に配慮することで、事態の打開を図る狙い。
ライス米国務長官と胡錦濤・中国国家主席は二月二十六日に北京で会談して、六者協議停滞の打開策を双方が提示しあい、「非常にいい話し合いが行われた」と米国務省報道官が明らかにした。ライス長官は同日夜、同行していたヒル次官補に滞在を延長して両国案の細部を中国側と調整するように命じた。ヒル次官補は一日、いったん中国を離れた後に訪問先のバンコクから北京へ入り、北朝鮮の金桂寛外務次官と会談しようとしたが、実現しなかった。ヒル次官補は二日、「北朝鮮側は会う用意があるとのことだった。北朝鮮のニューヨーク事務所(国連代表部)と連絡を取り、いくつかの点について協議した」と説明した。一方、ヒル次官補は、北京滞在中に六者協議の議長を務める中国の武大偉・外務次官と会談。ヒル次官補は「中国とはうまく協議できている。われわれは事態の前進に向けたよいアイデアを複数持っている」と語った。また、「北朝鮮が米側の提案を検討しているため、数週以内に十・三合意の非核化第二段階を終わらせて、より難しい第三段階に進むことができるか見守る」と明らかにし、今月末までの妥結の可能性も排除しなかった。
中国は、両論併記で米国の面子を立て、北朝鮮に若干の譲歩を迫ったということだろう。北朝鮮の金次官が北京を訪問しなかったのは、内部での検討に時間が必要だったとみられる。また、韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」(期間中に恒例の野外機動訓練「フォール・イーグル」も連動する形で実施)が三月二日から七日まで行われたことが障害になった。
実際、「キー・リゾルブ」が終了した後の十日、金次官とヒル次官補が十三日にジュネーブで会談することが明らかにされた。
中国は八月の北京オリンピックの成功という建国以来最大の国際的な国家行事を控え、朝鮮半島情勢を安定させておきたい。ブッシュ政権に残された時間はどんどん消費されている。したがって、朝米関係の転換に向けて条件は熟しつつあるといえる。