民族時報 第1127号(07.12.15)


【焦点】日本政府、6者協議進展に冷水

    深まる対北敵視政策

 内外が注目するなか、熊本市内にある総連の関連施設「熊本朝鮮会館」の固定資産税などを同市が一部減免した措置の是非を争う訴訟で、最高裁(中川了滋裁判長)は十一月三十日、熊本市の上告を退け、減免措置を違法とした福岡高裁判決が確定した。

 判決に対して、総連中央本部の高徳羽副議長が三日、談話を発表し、「六者協議の進展など国際社会のすう勢と両国民の願いに逆行する時代錯誤的なものだ」と強く糾弾した。

 熊本市は会館の総連事務所部分は課税し、公民館類似場所(だれでも使えるスペース)には税金を他の公民館と同じように減税し、熊本地裁も朝鮮会館の利用対象者、設備や利用実態、事業内容などから見て「公民館類似施設」にあたると明白な判断を示していた。だが福岡高裁は一般の市民は使用していないとの判断で、減免は違法とされた。現状でだれも使っていないから減免が違法という判決は今後、朝鮮会館だけでなくすべての同胞系公館的施設にも影響を与えることになるだろう。

 裁判は一昨年、「拉致問題」を契機に総連への予断と偏見に基づいて、「北朝鮮に拉致された日本人を救出する熊本の会」の加納良寛代表が起こした。争点は朝鮮会館や総連に公益性があるかどうかで、一審の熊本地裁は公益性を認めて市が勝訴したが、福岡高裁は「朝鮮会館は朝鮮総連の活動拠点で、日本の社会一般の利益のための施設には該当しない」と、公益性を認めない不当な判決を出した。

 東京都の石原知事が二期目に入って、突然、四十年間続いてきた総連中央本部会館への固定資産税減免を取り消し、課税したことと黒い伏線でつながっていると言えよう。

 一方、衆参両院の拉致特別委員会は五日と七日、米国の「北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除」の動きに反対する決議を採択した。自民、民主、公明三党が提案した。

 決議は、米国による北朝鮮に対するテロ支援国家指定を「拉致解決を北朝鮮に迫る強い圧力」と位置づけ、指定解除の動きについて「日本国民を落胆させ、日米同盟に重大な影響を及ぼすことを懸念する」などとしている。そのうえで、日本政府に解除しないようにするための最大限の外交努力を求め、米国には解除しない方針を堅持するよう要請した。

 米国の対北テロ支援国家指定の解除問題は、六者協議の合意による北朝鮮の非核化に対応した「行動対行動」の原則に基づく措置であり、拉致問題と相いれない。日本の国会が進んで朝鮮半島の非核化と東北アジアの平和、安定にブレーキをかけることは極めて不適切だと言える。

 日本政府は一連の不当な措置を速やかに撤回し、ピョンヤン宣言の精神に立ち返る誠実な外交努力と在日政策を取るべきだ。


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