【トップ記事】李時雨氏裁判/孫副議長が法廷で証言/証拠資料を提出/検察側反論できず
韓統連、「反国家団体ではない」
「米軍の兵器と基地施設を写真撮影して外部に流出した」「反国家団体構成員と接触した」などとして、国家保安法違反容疑などで起訴された平和活動家で写真作家の李時雨氏に対する第十三回公判が六日、ソウル中央地方裁判所で開かれ、韓統連の孫亨根副議長が証人として出廷した。韓統連が、韓国の法廷で証言するのは、これが初めて。孫副議長は、「韓統連は一九七三年に民団内民主人士らによって結成され、韓国の民主化と祖国の統一のために活動している団体」であり、決して反国家団体ではないと明らかにした(関連記事三面)。
この日の公判では、弁護側証人七人に対する尋問が行われ、孫副議長は最初の証人として出廷した。弁護団は、孫副議長への尋問で、韓統連が「反国家団体」であると判示された在日同胞留学生の金整司氏に対する裁判で、「元北朝鮮のスパイで、中央情報部に自首した在日韓国人」と称する尹孝同という人物が、「一九七〇年四月ごろに郭東儀氏(現韓統連常任顧問)を北朝鮮に送り込んでスパイ教育を受けさせた」と証言したことについて、@その同時期に郭氏が民団東京本部の第八回地方委員会に参加し発言したことが記録されている議事録と、A練馬支部第九回定期大会の議事録、B同時期に交通事故にあった民団練馬支部の職員に代わって郭氏が加害者との損害賠償交渉を行ったという同職員の証言録、C一九八〇年の衆議院外務委員会での社会党の土井たか子議員の質問に対して「一九七〇年当時、郭東儀という人物が出入国した記録はない」という入管局登録課課長の証言が記録されている議事録と関連報道記事などを証拠として提出し、尹孝同証言の虚構性と韓統連に対する「反国家団体」判示の不当性を明らかにした。
孫副議長は、検察が「NPO法人三千里鐵道」を容共団体とでっち上げようとしたことに対しても、同団体が思想や信条の差異を越えて南北の鉄道連結事業を支援するために結成されたものであり、起訴状で都相太理事長の学歴などがデタラメであること、北朝鮮だけでなく韓国当局にも支援金を伝達したことなどを明らかにし、検察側のずさんな捜査やでっち上げを暴露した。
検察側は、「韓統連が北朝鮮から工作資金を受け取っていたことを知っているか」「一九七三年当時、民族時報に北朝鮮を賛美する内容が書かれているのを知っているか」などといった質問を繰り返した。弁護団は、「何の証拠も提示せずに、それらのことがあたかも事実であるかのような質問は、韓統連を北と結び付けようとする悪意に満ちたもの」であると抗議、傍聴席からも弁護側の主張を支持する意見が飛び出し、裁判長も検察側の質問を却下した。検察側は、孫副議長の証言に反論できないまま、裁判官から質問内容をたしなめられただけだった。
最後に孫副議長は、「国家保安法は、在日同胞社会の和合と団結を阻害し、在日同胞社会の分裂と対立は多くの在日同胞青年を同化、帰化へと追い込んでいる。在日同胞社会の和合と団結のためにも国家保安法は必ず撤廃されなければならない」と主張した。