【解説】統一の道へと踏み出す/条約形式で合意履行に重み
履行段階に入った10・4共同宣言
歴史的な南北首脳会談と十・四共同宣言の合意に基づいて、南北は十一月十四日から十六日まで、ソウルで「『南北関係の発展と平和繁栄のための宣言』履行に関する第一回南北首相会談」を開いた。今回の首相会談の大きな特徴は、統一に向けた青写真である十・四共同宣言履行に関して、実務的かつ詳細な合意事項を積みあげ、南北当局間の協議を定期的におこない、合意を着実に進展させるようにしたことだ。
それは、十・四共同宣言で合意された「随時に対面して懸案問題を協議する」首脳会談を頂点に、南北共同宣言履行のために半年ごとに開く首相会談、そのもとに各種協力事業推進のための部門別協議機構として、副首相級を委員長とする「南北経済協力共同委員会」(第一回会議を四日から六日までソウルで開催)、閣僚級を委員長とする「西海平和協力特別地帯推進委員会」(第一回会議を今月中に開城で開催)と「南北社会文化協力推進委員会」(〇八年上半期中に開催)が、それぞれ稼動することになった。さらに、「経済協力共同委員会」の下には道路、鉄道、造船・海運、開城工業地区など、六つの分科委員会が置かれる。
こうして、実質的に「国家連合」および「低い段階の連邦制」という六・一五共同宣言第二項で示された統一への道筋の第一歩を踏み出すことになった。
首相会談で合意された文書は、首相会談自体の合意書と、「西海平和協力特別地帯推進委員会の構成・運営に関する合意書」、「南北経済協力共同委員会の構成・運営に関する合意書」だ。以下、首相会談の合意書の内容にそって、南北関係の現状と展望を見ていくことにする。
首相会談の合意書で南北は、八条の条約形式で文書を採択し、合意履行に重みを持たせた。第一条で、「わが民族同士」の精神で相互尊重と信頼関係を確固とし、「統一志向」の措置をとることにした。具体的に、六月十五日を記念日とする。六・一五共同宣言八周年記念南北共同行事をソウルで、官民共同で行う。さらに、それぞれの法制度の整備問題――とくに南側の国家保安法問題――を協議するとし、当局は各分野の対話と接触、とくに南北国会会談については積極的に支援するとした。第一条は、合意文の根幹をなすもので、とくに将来の統一を展望した南北国会会談の開催は、今後重みを増すことになるだろう。
第二条は、十・四共同宣言の発表後に注目を集めた「西海平和協力特別地帯」の設置問題を定めた。これは海上の軍事境界線が確定しておらず、偶発的な軍事衝突の危険性が非常に高いこの海域の現状を逆手にとって、「互恵」の原則で一挙に状況を転換させようとするものだ。具体的に「平和水域指定」「共同漁業区域設定」「(北側)海州の経済特別建設(〇八年中に事業計画確定)」などを、既存の開城工業団地事業と連係させていく方向性にも合意した。十二月には「西海平和協力特別地帯推進委員会」の第一回会議を開城で開くことにした。この委員会に関してAの文書が採択された。
第三条は、民族経済の均衡的発展と共同繁栄のための経済協力の推進を扱った。まず、ヒトとモノの移動をより活性化するために、南北鉄道と道路の整備改修を早急に行うことにした。また、北側の安辺地域で船舶ブロック工場の建設に着手することなどにも合意し、海運事業に関しても協議を行う。また、開城工業団地の開発に拍車をかけ、このために十一日からムンサン―鳳東間で鉄道貨物輸送を開始することにした。一方、北側に無尽蔵に埋蔵されているレアメタル(希少金属)などの資源開発に本格的に乗り出すことにも合意した。その他、農業、水産物加工、山林緑化、環境保全などでも協力を約束した。
第四条では、歴史、言語、教育、文化芸術、科学技術、体育など社会文化分野での協力を発展させる措置をとることに合意した。とくに、北京オリンピックでの南北合同応援団の構成問題が焦眉の課題だ。
第五条は、民族の和解と団結をはかる見地から人道主義分野での協力事業を推進することに合意した。金剛山に建設中の南北離散家族の面会所がいよいよ竣工する。
第六条では、自然災害が発生した場合、双方が通報し、被害拡大防止の措置をとるとともに、同胞愛に基づいて被害復旧に協力することに合意した。
第七条では、南北首相会談を半年に一回開催することにし、次回は〇八年上半期にピョンヤンで開くことに合意した。第八条はこの合意の修正および発効の手続きを定めた。
以上の合意を南北が誠実に履行するなら、南北関係は平和と繁栄、そして統一へ向けて大きく前進するだろう。韓国では十九日に大統領選挙が行われる。今回の合意事項の履行は、南側の次期政権が多くの部分で、その履行に責任を持たなければならなくなる。南北関係の発展と祖国統一の実現は、民族全体の悲願だ。いかなる政権も、この悲願に背を向けることはできない。
(田泰淳記者)