【論説】与野共に候補一本化がカギ

韓国大統領選挙をめぐる動き
第十七代大統領選挙の投票日が近づいている。ハンナラ党の李明博候補を先頭に、大統合民主新党(民主新党)の鄭東永、創造韓国党の文国現、民主党の李仁済、民主労働党の権永吉候補のし烈なレースに、出馬説の段階で支持率二〇%を超えた元ハンナラ党代表の李会昌氏が、ハンナラ党を離党して無所属候補として出馬することで、大統領選の政局は予測が困難な状況だ。それまで李明博候補の支持率一位の構図が、「左派政権の終息」を宣言し、伝統右派を掲げた李会昌氏の出馬で、保守陣営の分裂または大連合、旧与党系の候補一本化の動きなど、候補登録日(十一月二十五、二十六日)までし烈に展開されると思われる。
「左派政権終息宣言」
しかし、保守分裂に喜んでばかりいられる状況ではない。極右保守の登場で右傾化を深化させる危険性があるからだ。李会昌氏は出馬宣言で、李明博氏を国家のあり方に対する信念と哲学がなく、対北観があいまいだとして批判し、自身が正統保守であることを自任している。彼は、「北朝鮮の核実験で失敗が明らかになった太陽政策を固守していては、迫り来る北朝鮮の核の災難を防ぐことはできない」「原則のない対北政策で、北朝鮮は核実験まで行い、核保有国に成りすましている」ので、「左派政権を終息」して韓米同盟を強化し、冷戦体制に戻るというのだ。彼は、六・一五宣言も六者協議も全面否定し、極右強硬勢力の代弁者として登場したのだ。
ハンナラ党は李会昌候補を「政権交代の妨害者であり、障害物」と批判、全国二百四十三の地区党で李会昌糾弾大会など、挙党的に対処することにした。支持層の食い合いと保守勢力の分裂に危機意識を持った李明博陣営は、「脱理念、経済優先」基調を維持しながらも、李会昌に対抗するため、保守性を鮮明にするなど、右傾化を深める方向に転換している。
しかしその一方で、候補一本化、または連係の可能性も示唆している。李明博、李会昌、鄭東永の順位で構図が固まれば、「殺身成仁(身を殺して仁を成すこと)の犠牲を払うのが、李会昌の今の決意」(李会昌陣営、十一・九KBSラジオ)と発言。ハンナラ党も今後の一本化の可能性に対して「政治は生き物なので、どうなるかわからない」(姜在渉代表)と可能性を排除していない。
旧与党系の候補一本化
李会昌の出馬で保守の分裂、ハンナラ党支持層の亀裂が起こっている状況で、旧与党系の候補一本化論議が急進展している。鄭東永、李仁済、文国現の三候補の支持率が合計三〇%を超えていない状況を、候補の一本化で打開していこうというのだ。これにともない、民主新党と民主党は、大統合と候補一本化に合意(十二日)、統合民主党として新たに誕生した。文候補との一本化は、民主新党は「反腐敗連帯」の方向で論議を進める姿勢だが、民主党が文候補の立場が明確でないとして否定的な立場であり、統合は現段階では未知数だ。民主労働党の権永吉候補は、独自路線を固守する方針を明らかにしており、進歩陣営の候補として最後まで奮闘する態勢だ。権永吉候補を一本化の範ちゅうに置くこと自体が、汗を流して働く人たちの希望である民主労働党に対する非礼だという指摘だ。
一方、鄭東永、権永吉、文国現候補は、三星の不正資金と関連し、反腐敗三者連帯で国会で特別検事制を十四日中に発議、会期内に処理することにした。また、国民中心党の沈大平候補が、李会昌、朴槿恵、高建・元国務総理を相手に、四者連合を提案(十一・二)、保守右派の連合の動きも見せている。
大統領候補の支持率を振り返ってみよう。これまで、旧与党系候補が確定していない状況で、あらゆる不正疑惑があるにもかかわらず、李明博候補が五〇%以上の支持率を見せて独走してきた。李会昌氏の出馬宣言後の支持率は変動を見せてはいるが、依然として優勢だ。鄭東永候補の支持率は、むしろ落ちている。七日のMBC世論調査では、李明博候補四〇・七%、李会昌候補二〇・五%、鄭東永候補一一・一%、文国現候補六・九%、権永吉候補二・六%となった(李会昌候補支持者の六〇・七%が朴槿恵氏支持、二四・一%が李明博候補支持)。変数は、過去の投資疑惑であるBBK事件の核心人物のキム・キョンジュンの帰国で、株価操作と米国系の架空会社を通した巨額のマネーロンダリング嫌疑など、不正疑惑が明らかにされる場合、選挙直前に李明博の支持率が大幅に変動する可能性も排除できない。
一方、民主労総は、組織的に民主労働党の権永吉候補の支援運動を開始した。「百万人の歩み」ツアーで全国をまわり、選挙運動を展開してきた権永吉候補が、二十万人の大衆の前で演説する予定だった十一月十一日の「汎国民行動の日」と十二の部門別集会が、警察側の全面不許可方針に直面したが、四万人の民衆が集結した。進歩陣営の団結と力で政治と社会を変えられるよう、いっそうの努力が求められている。
「左派政権の終息」など、時代錯誤的な反共理念を掲げて登場し、冷戦時代に回帰しようという極右守旧勢力の執権を阻止しなければならない。
(金明姫記者)