【記事6】「朴元大統領の指示否定できぬ」
「金大中事件」KCIAの組織的犯行
韓国政府(国家情報院)の「過去事件真相究明委員会」は十月二十四日、一九七三年に東京都内で発生した「金大中前大統領拉致事件」は、韓国の情報機関である「韓国中央情報部(KCIA)」(現・国家情報院)の李厚洛部長の指示により実行されたという事実と、事件発生後にKCIAが真相を隠ぺいしようとしていた事実を確認し、事件がKCIAの組織的な犯行だったと結論づけた。また、当時の朴正熙大統領が直接指示した可能性が排除できず、少なくとも黙示的な承認をしていたとの判断が下された。同委員会は、朴大統領の事前認知の可能性とは別に、大統領直属機関であるKCIAが拉致を実行し、その後の隠ぺいまではかった事実から照らし合わせると、統治権者としての政治的・法的責任を免れるのは難しいと指摘している。
同委員会はこうした調査結果をもとに、「まず被害者である金大中前大統領に、政府の公式な謝罪とともに必要な名誉回復措置がはかられるべきだ」との意見を出した。
韓国政府が「金大中前大統領拉致事件」について、当時の政府機関が関与したことを公式に認めたのは初めて。韓日両国はかつて、韓国の公権力の介在が確認できないことを前提に、二度にわたる「政治決着」をはかったが、その前提が崩れたことになる。
一方、一九八七年に発生した大韓航空機事件に関しても最終調査結果を発表し、「北朝鮮の工作員により引き起こされたもの」としながらも、さまざまな疑惑については解明できなかったと説明した。
韓統連(金政夫議長)は同日、同委員会の調査結果発表を受け、声明を発表した(別掲)。
関連資料:連載 金大中氏救出運動と韓統連<全14回>