民族時報 第1123号(07.10.15)


【解説】宣言は統一機構の実践方案/「わが民族同士」で平和を

    Q&A第2回南北首脳会談 「南北共同宣言」の内容とその意義

 

Q=七年ぶりに開かれた第二回南北首脳会談の意義は。

 A=盧武鉉大統領が軍事境界線を歩いて越え、金正日国防委員長と朝鮮戦争の終戦宣言のために協力すると明らかにしたように、六・一五共同宣言の「わが民族同士」の精神で力を合わせて、半世紀を大きく超えた分断と、戦争状態に終止符を打ち、朝鮮半島の平和と統一、民族の共同繁栄の新時代を開いたことだ。

 Q=「南北関係発展と平和・繁栄のための宣言」(南北共同宣言)が発表されたが。

 A=今回の南北共同宣言は徹頭徹尾、六・一五共同宣言に基づいていることが大きな特徴だ。六・一五共同宣言の土台のうえに、民族の知恵と、創造性を発揮して平和と共同繁栄のためのアイディアと壮大なプロジェクトを提示して、南北関係を一段階引きあげる青写真を示したいえる。

 Q=具体的にはどういうことか。

 A=まず、六・一五共同宣言という土台をさらに堅固にした。前文では「わが民族同士で意思と力を合わせれば、民族繁栄の時代、自主統一の新時代を開いていくことができ」「六・一五共同宣言に基づいて、南北関係を拡大発展させていく」としている。これが今回の南北共同宣言を貫く基本理念だ。そのうえで、第一項で六・一五共同宣言を固守・具現するため六月十五日を共同で記念していくとし、第二項では相互尊重と信頼関係を増進するために「法律的、制度的な装置を整備していく」とした。南北関係を交流協力の段階から政治・軍事的な和解協力の段階へと発展させるためには、北側を「敵」とする南側の国家保安法がただちに廃止されなければならない。

 Q=会談の前には六・一五共同宣言の第二項に関連した統一方案、統一機構に関する合意があると期待されたが。

 A=今回の南北共同宣言全体が、統一機構の実践方案だといえる。具体的には、@南北対話の窓口を閣僚級から首相級に格上げA「経済協力推進委員会」を副首相級の「経済協力共同委員会」へ格上げB国防長官会談の開催で軍事面での窓口を格上げし、制度化・体系化C国会など各分野の対話と接触D国際舞台で民族の利益と海外同胞の権益のための協力を強化する――などに合意した。このような措置は、南北統一機構の構成と役割に関連した措置だ。つまり、完結した形態を先に提示する方式ではなく、実質的な必要に基づいて機構を設置して役割を拡大する方式で、民族統一機構を構成していこうということだ。

 Q=軍事的緊張の緩和で画期的な成果があったようだが。

 A=宣言の第三項で、南北の軍事的な敵対関係を終息させることを宣言し、不戦、不可侵、対話解決を原則として打ち出した。これに基づいて国防長官会談が開かれるが、西海での偶発的な軍事衝突防止を、経済協力と組み合わせたのは、民族の英知だといえる。また、次の段階では、南北相互軍縮なども論議されていくだろう。平和問題の核心である朝鮮戦争の終戦を南北が協力して推進し、三者または四者首脳が朝鮮半島でそれを宣言する構想を提示した。朝鮮戦争の終戦は民族内部問題であり、また米国という外部勢力との問題でもある。これを「わが民族同士」で主導的に解決する決意と構想を示し、同胞だけでなく、世界に大きな希望を与えた。内外の反戦平和勢力は、両首脳が明らかにした平和への構想を全面的に支持し、その実現のために努力すべきだろう。

 Q=経済協力分野は詳細で具体的だが。

 A=まず、確認されるべきは、南北経済協力は一方的ではないということだ。目標は、民族経済の均衡的発展と共同繁栄だ。原則は共利共栄と有無相通(一方にあって他方にないものは融通しあう)だ。また、平和の問題と経済協力=実利を結びつけて、紛争当事者同士がともに利益をえることで、紛争の原因を除去しようとする「西海平和協力特別地帯」のプロジェクトは、世界の紛争地域に応用できるはずだ。その他、開城工業団地第二段階開発の着手および鉄道貨物輸送と三通(通行、通信、通関)問題の制度的整備、開城―新義州鉄道および開城―ピョンヤン高速道路の改善補修、南浦造船協力団地建設など、ここで合意した南北経済協力事業が軌道に乗れば、南北は民族経済共同体建設に着実に前進できるだろう。

 Q=人道分野などの比重が小さいが。

 A=今回の南北共同宣言は、七年間の六・一五時代の成果を土台にしている。社会文化、体育、人道主義協力事業などは、七年間で相当に進展した。そのため、宣言での比重は相対的に少ないが、それは逆に、これまでの成果が大きいことの証しだ。それでも、北京オリンピックに南北の応援団が京義線列車に同乗して参加するなど、胸踊る成果がえられた。

 Q=国際舞台での民族の利益と海外同胞の権益のために協力することも宣言されたが。

 A=民族の利益は、「わが民族同士」で力をあわせなければ守れない。これはわが民族史の教訓だ。海外同胞は居住国でさまざまな差別と不利益をこうむっている。特に在日同胞は、日本政府から政治的な迫害を受けており、生命の危険にさえさらされている。今回両首脳は、「海外同胞」を明記し協力を宣言した。これは歴史的である。在日同胞社会は昨年、「民団・総連五・一七共同声明」で和合に踏み出しながら、これに対する反対勢力により挫折した苦い経験がある。南北首脳会談の崇高な合意にしたがって、それを克服し、在日同胞社会の和合を促進して日本政府の誤った朝鮮半島政策を是正させ、権益を守り発展させていかなければならないだろう。

 Q=今後の展望はどうか。

 A=当面する最大のポイントは、朝鮮戦争の終戦宣言だ。そのため、南北首脳と米中首脳らが朝鮮半島で一堂に会することになるが、その動きはすでに始まっている。六者協議は年内に、北朝鮮が核無能力化、米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除を行うことに合意した。六者外相会談も開かれる。南北は十一月中に首相会談と国防長官会談を開く。機は熟している。終戦宣言は引き続いて、朝米の国交正常化へ進み、朝鮮半島と北東アジアの情勢は一変する。日本では安倍政権が倒れ、福田政権が誕生したが、いままで通りの政策では、進展する情勢から取り残されるだろう。

(高雄埴記者) 


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