民族時報 第1117号(07.07.15)


【論説】「拉致』だけ主張の二重基準/世界に通じぬ「人権」感覚

    米下院「慰安婦」決議 日本政府の道徳性撃つ

 過去にアジアを侵略して女性らを日本軍の性奴隷にした事実を否認している日本政府に対し、再び強力な国際的警告が下された。米国下院の外交委員会(六月二十六日)は、日本軍「慰安婦」問題に対する日本政府の公式認定と謝罪、歴史的責任を問う日本軍「慰安婦」決議案(HR一二一号)を圧倒的な賛成多数(賛成三十九、反対二)で可決した。決議案は、下院議員四百三十五人中、百五十一人が署名して上程された。

この決議案は七月中旬ごろに開かれる本会議に上程され、通過される可能性が高い。法的拘束力はないが、人道的、道徳的な見地から、過去の歴史の清算に背いている日本政府を強く圧迫すると見られる。

足元をすくった歴史わい曲広告の掲載

 米下院の決議案では、日本政府は一九三〇年代から第二次世界大戦の末期まで、占領地の若い女性らを日本軍の性の慰みものとして動員するよう認定し、集団強かんと強制流産、身体切断と死亡および自殺を招来した性的暴行など、その残忍性と規模において前例のない二十世紀最大規模の人身売買を犯し、日本の学校で使用中の新しい教科書では、「慰安婦」の悲劇と日本の戦争犯罪を縮小しようとしていると指摘し、以下のとおり是正を求めている。@性的奴隷の強制事実を認定、謝罪し、歴史的責任を受け入れるA日本の首相が公式声明を通して謝罪しB日本政府は現在と未来の世代に、この恐るべき犯罪について教えなければならない、と主張している。

 決議案の採択後、ナンシー・ペロシ下院議長は「下院本会議でもこの決議を通過させ、二十万の『慰安婦』女性が経験した恐怖を忘れなかったという、強いメッセージを送るものと期待している」という声明を発表した。決議案が圧倒的賛成で通過した理由は、安倍首相をはじめとした閣僚らが「『慰安婦』強制動員の事実はない」という、反省はおろか歴史的犯罪を認めず、米議会内の保守派でさえ怒って賛成票を投じたからだと分析されている。さらに自民党、民主党議員と言論人など右派人士四十五人が決議案阻止のため、ワシントンポスト紙(六月十四日付)に「事実」(THE FACTS)という題目の虚偽事実を全面広告として掲載し、むしろ足元をすくわれた。

 彼らは「『慰安婦』は許可を得て売春行為を行ったものであり、日本軍将校や将軍より収入が多かった」「重大な人身売買事件を犯したという下院決議案は、重大で故意的な事実わい曲」と強調し、再び「慰安婦」被害者らの人権を踏みにじる罪を犯した。こうした主張は、一九九三年の「『慰安婦』動員過程で日本軍と日本官吏が関与した」という河野談話を継承するという、日本政府の公式立場にも背いている。

日本政府は公式謝罪と法的責任を

 決議案が採択されたこの日、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協、二十団体)は、元日本軍「慰安婦」の生存者百七人の名前で声明を発表、「世界女性人権運動史において、新しいページとして記録される出来事」と決議案採択の意味を付与した。また日本政府が元日本軍「慰安婦」の被害者らへの公式謝罪、正しい教育と非人道的な犯罪が再び起こらないよう努力することを主張し、公式謝罪と法的責任の履行を求めた。この日、日本、フィリピン、台湾でも同時共同記者会見が開かれ、日本政府に対する批判が集中した。

 挺対協は「慰安婦」問題解決のため、九月頃にヨーロッパ五か国をまわってグローバルキャンペーン、十月に米国で世界大会(三―七日)、十一月に日本で日本政府に圧力を加えるためのキャンペーンを行う計画だ。したがって日本の戦争犯罪行為が再び国際的に断罪されるものと思われる。

 一方、東京でもこの日、日本軍「慰安婦」問題行動ネットワーク(二十団体)が、日本政府が被害者一人一人に公式謝罪をすることと、すべての教科書で「慰安婦」問題を扱うことなどを求める声明を発表した。

 アムネスティ・インターナショナルは決議案通過を歓迎し、世界のすべての国々は、元日本軍「慰安婦」の生存者らが十分な被害賠償を受けられるよう、日本政府に圧力を行使するよう求めた。

 しかし安倍首相は、「米国議会の決議案なので、コメントする性格のものではない」(六月二十八日)という不誠実な態度を見せ、非難が集中している。

 日本軍「慰安婦」問題と関連し、国連人権委員会は過去に数度、特別報告官を任命して調査をおこない、日本の法的責任の認定と賠償、教科書の修正、加害者処罰などを要求してきた。しかし日本政府は、アジアの女性らを性奴隷としてじゅうりんした事実を必死に否認してきた。むしろ日本人拉致問題を取り上げて、日本が被害国のような印象を植え付けることにきゅうきゅうとしている。自身の犯罪行為は反省せず、相手の過ちのみを問題視しているのだ。

 日本政府は米下院決議案を謙虚に受け止め、現在と次の世代に歴史的真実を教え、反人倫的戦争犯罪を二度と繰り返してはならない。過去の戦争犯罪に対する真しな反省と謝罪、賠償をいつまでも引き延ばすなら、反人倫的犯罪国家と言われ続けるだろう。日本政府に最小限の良心があるなら、高齢の「慰安婦」被害者らが一人でも多く生きている今、彼女らに真しに謝罪し、賠償しなければならない。

(金明姫記者)


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