民族時報 第1117号(07.07.15)


【焦点】朝鮮人強制連行被害者遺骨返還事業/フィールドワークも

    遺骨問題で全国集会

 戦時下の朝鮮人強制連行・強制労働犠牲者の遺骨返還事業を進める「韓国・朝鮮の遺族とともに―遺骨問題の解決へ」全国連絡会(会長・渕英徳曹洞宗宗務総長)が遺族二十人を招いて全国二十七か所で集会を開いた昨年(七、八月)に続いて、今年(七月下旬)も生存者や遺族ら四人を呼んで中部地方でフィールドワークや全国集会などを行う。

 全国連絡会は民団や総連、韓統連などの同胞団体のほか、日本の市民団体などでつくる。毎年夏に遺骨問題の解決を訴える行事を行い、日本政府に遺族への遺骨返還と謝罪を求めている。今年は、今月二十八日に岐阜県の神岡鉱山周辺をフィールドワークし、翌二十九日には名古屋市内で遺骨問題の解決を求める全国集会を開く。

 岐阜県飛騨市周辺には、戦前・戦中期いくつかの鉱山があり、最大のものが三井鉱山神岡鉱業所(現・神岡鉱業株式会社)。神岡地域での三井の操業は一八七四年にさかのぼり、鉛と亜鉛は日本最大の鉱床だった。鉛はバッテリー、亜鉛は真鍮(ちゅう)の素材として侵略戦争中に政府から大量生産を命じられ、これを担うものとして朝鮮人が多数動員された。一九四四年には、神岡鉱山の全労働者約六千五百人のうち約二〇%が朝鮮人労働者だったといわれている。

 また鉛の精錬に電力が必要なため、周辺には神岡水電(現・北陸電力)によるダムや導水路の建設(大林、間組が担当)が行われ、約一千百人以上の朝鮮人が強制動員されたという。

 最近、飛騨市の寺院から大量の遺骨(約八十人分)が発見され、飛騨市や神岡鉱山、寺院、市民団体などの協力もあって、朝鮮人犠牲者や遺骨の実態が明らかになりつつある。だが、日本政府が市民団体や寺院の調査に協力する飛騨市など行政側に圧力を加え、調査活動を妨害していることもわかったという。

 当日は同地域の神岡鉱山のほか、遺骨調査を独自に進める曹洞宗や東西本願寺の寺院、浅井田ダムなどをバスでフィールドワークしながら、関係者から証言を聞く。また神岡鉱山や浅井田ダムに強制動員され、現在韓国で生存する金得中さん(八十一歳)や、金文奉さん(四一年死亡)の遺族・金大勝さん(六十七歳)を招き、同行する。翌日の全国集会は午後一時半から名進研ホール(JR名古屋駅下車徒歩七分)で開き、遺族、宗教者らの発言、追悼祭などを聞く。

 問い合わせは、рO3―5562―0152(全国連絡会)。両日とも参加自由、二十八日の参加費三千円(昼食費、バス代込み)、二十九日の会場費一千円(資料代)。


[HOME] [MENU] [バックナンバー]