民族時報 第1117号(07.07.15)


【記事2】黄英治局長が影書房から

    『記憶の火葬』の出版祝う

 黄英治・韓統連宣伝局長の『記憶の火葬―在日を生きる・いまは、かつての〈戦前〉の地で』(影書房刊)の出版を祝う会が七月八日、都内の「アルカディア市ヶ谷」で開かれ、韓統連の会員、韓日連帯、文学、出版関係者ら約百人が参加した。同書の「出版を祝う会」(代表、山田昭次・立教大学名誉教授、金政夫・韓統連議長)が主催、影書房が協賛した。

 郭東儀・韓統連常任顧問は開会あいさつし、「活動しながら書きためた文章が本になり、わがことのようにうれしい。応援してほしい」と述べた。「祝う会」の山田教授は作品に触れ、在日朝鮮人の幼児が日本の差別を敏感に感受し、身を守るために心を痛めていることが描かれており衝撃を受けた、多くの人に読んでもらいたい、と主催者あいさつした。

 黄局長は、「韓統連の活動が、正しく見て考えることを可能にしている」とし、今後も民族運動と文学活動を両立させる抱負を語り、所属する労働者文学会、影書房、家族への感謝を述べた。黄局長に友人、後輩らから花束が贈られた。

 労働者文学会の神田貞三代表幹事が乾杯の音頭をとり、続いて影書房の松本昌次社長、作家の小沢信男氏、文芸評論家の卞宰洙氏らが出版の経過、作品についてさまざまに語った。

 「祝う会」の金議長は閉会あいさつで「在日一世の苦難の物語は、過去ではなく現在の物語だ。なぜなら、一世らに苦難を強要した構造がそのまま残っているからだ」と指摘し、黄局長が在日同胞の過去、現在、そして未来を書き続けてほしいと述べ、参加者らに激励と支援を訴えた。

 『記憶の火葬』は定価二千八百円で、全国の書店で販売中だ。

黄英治(ファン・ヨンチ)著

記憶の火葬
――在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で』

かつての宗主国・日本の地で、旧植民地人である朝鮮人が生きるとはどういうことか――
在日一世の父の死に臨み、その苦難の半生に思いを重ねつつ自己の存在をみつめた「労働者文学賞」受賞の表題作のほか、日本社会に根を張り続ける民族差別の実態をリアルな生活実感から問うエッセイ、書評等を収録する。


四六判上製 286頁
定価 2800円+税
ISBN4-87714-370-1

影書房   http://www.kageshobo.co.jp/

[HOME] [MENU] [バックナンバー]