民族時報 第1114号(07.06.01)


【論説】和解に新たな章開く快挙/釜山からロンドン現実に

    南北列車試運転の歴史的意義と展望

 

 朝鮮半島の新たな歴史の始まりを告げる京義線、東海線の列車試運転が五月十七日、内外の熱い関心のうちに成功裏に行われた。京義線は一九五一年六月十二日、ソウル―開城間の運行が中断されて以来五十六年ぶり、東海線は一九五〇年以来五十七年ぶりの運行だ。

 二〇〇〇年七月の第一回南北閣僚級会談で京義線鉄道連結に合意後、七年を経て南北の列車が軍事境界線を越えて行き来する歴史的な日を迎えたのだ。二〇〇〇年の南北直航機の往来、二〇〇三年の東・西海地区南北管理区域の臨時道路の通行、二〇〇五年八月の南北海運合意書、そして今回の試運転で鉄路が開かれ、南北をつなぐ道がすべて開通する展望が大きくなった。

経済発展に莫大な影響

 列車試運転は分断を終わらせて南北和解の新たな章を開くという象徴的な意味も大きいが、政治、経済、社会、軍事などに及ぼす影響もまた非常に大きく、統一に向かって、大きく前進したと評価できるだろう。正式に開通すれば、特に民族経済発展に莫大な影響を及ぼすと展望されている。

 京義線のムンサン駅で行われた記念行事で、李在禎・統一部長官は「朝鮮半島の平和定着を通じた民族共同体形成に一歩さらに近づくことになった」と意義づけ、朝鮮半島を統合する総合物流網を形成して、民族経済の均衡的発展に寄与することになるとの南側政府の強い期待を表明した。

 朝鮮半島を縦断してユーラシア大陸をつなぐ大陸横断鉄道実現の可能性が大きくなったのだ。建設交通部によると、南北鉄道が正式に開通すれば、東海線と北側の鉄道を利用して、シベリア横断鉄道(TSR)まで連結するために、部分的に断絶している東海線鉄道を補強することに力を注ぐ方針だという。TSRと中国横断鉄道(TCR)を連結して、朝鮮半島が海洋と大陸をつなぐハブ(周辺各地への交通機関が集中する場所)の役割を果たし、北東アジア物流の中心国家になるという構想だ。また南北列車がヒトとモノを輸送して南北交易物資を費用の安い鉄道で運ぶことになれば、南北交易量の拡大と輸送費用節減などによって、南北に莫大な経済的利益が期待できるという。

 これに関連して、韓国鉄道公社の李哲社長は十七日、「六月末にピョンヤンで第二回南北ロシア鉄道運営者会議を開催する方案を推進中」と明らかにしており、朝鮮半島横断鉄道(TKR)とTSR連結問題が集中的に議論されると発表されている。鉄道連結が現実的な問題として浮上しているのである。

 政府は京義線に関しては、@開城工業団地用の物資輸送および北側勤労者の通勤A南側の勤労者の通勤と開城観光客の移動Bソウル―ピョンヤンなど南北間の定期列車運行の順に、三段階方案を推進する方針だという。南から北へ、北から南へと出退勤する状況が現実化しようとしている。

協力事業も加速化へ

 試運転の実施によって南北協力事業が加速化する展望だ。ソウルで五月二十九日から開かれる第二十一回閣僚級会談では鉄道の開通問題が議論される。また、昨年六月の第十二回南北経済協力推進委員会(経済協力委)で合意した南北軽工業―地下資源開発協力合意書も二十二日、南北間の文書交換を通じて公式に発効した。軽工業―地下資源開発事業を履行する韓国側機構の南北交流協力支援協会も五月十八日に発足した。

 政府は今年北側に提供することにした八千万ドル分の軽工業原材料の一部を、鉄道を利用して提供する方案を検討中だという。この計画を実現しようとする韓国政府の姿勢は積極的だ。李庸燮・建設交通部長官は「『南北列車運行基本合意書』に基づいて『南北鉄道共同運営委員会』を一日も早く構成して運営し、京義線と東海線の開通準備を急ぐことを提案」しており、今後の南北交渉が注目される。

 列車試運転は、分断された祖国をひとつにつなぐ正式開通の道を開いた。これによって民族経済の発展を現実化する糸口をつかんだ。また、なによりも、一千万離散家族が互いに家族の懐に抱かれて南から北へ、北から南へ自由往来する日が、夢ではなく現実になる日が近づいてきたといえるだろう。

(金明姫記者)


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