民族時報 第1113号(07.05.15)


【読書案内】

    『竹島=独島論争―歴史資料から考える』

内藤正中・朴炳渉

 日本外務省のホームページには「竹島問題」という項目があり、「竹島の領有権に関する我が国の一貫した立場」として、「@竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに我が国固有の領土です。/A韓国による竹島の占拠は、国際法上何ら根拠がないまま行われている不法占拠であり、韓国がこのような不法占拠に基づいて竹島に対して行ういかなる措置も法的な正当性を有するものではありません。/※韓国側からは、我が国が竹島を実効的に支配し、領有権を確立した以前に、韓国が同島を実効的に支配していたことを示す明確な根拠は提示されていません」(〇七年五月十日時点)との主張が掲げられている。これに基づいて、社会科の教科書は記述され、日本学校の生徒らは覚え込まされる。

 ところが、である。本書『竹島=独島論争―歴史資料から考える』を一読すれば、反ばくの余地なく明らかなように、「竹島=独島」は、「日本固有の領土ではない」のである。「歴史の事実に照らしてみる限りでは、(江戸)幕府さらには明治政府によって、二度にわたって日本の領土ではないと明言したことはあっても、日本の固有領土であると主張したことは一度もない」。

 第一は、江戸幕府が一六六六年に日本人の竹島=独島渡海を禁止した「竹島一件」だ。渡海禁止は、江戸幕府が竹島=独島を朝鮮領と認めたからだ。第二は、明治政府が一八七七年に下した、今日の内閣に相当する太政官の決定だ。これに基づいて内務省は同年四月九日、島根県に「竹島(現在の鬱陵島)外一島(現在の竹島、当時松島)本邦関係なし」と伝達したのである。

 そして、一九〇五年の日本による領土編入は、当時の国際法の「無主地先占」理論を適用したものだが、これは「歴史的に固有の領土」との主張と矛盾する。日本政府が竹島=独島を領土編入した一月二十八日は、ソウル一帯の治安警察権を日本軍が掌握する日露戦争の戦時体制下であったことは、明記されなければならない。

 本書はそのほかにも興味深い事実を、一方的ではなく、多方面な歴史資料にあたって解明している。読み進むにつれて胸に迫るのは、日本外務省にしても、評論家の櫻井よしこ氏にしても、「必要最小限の資料すら調べず、一部論者の我田引水的な意見のみを聞いて」、「竹島は日本の固有の領土」と主張する荒唐無けいさと、歴史事実がわい曲されて、洪水のように流布されてしまっている日本の現状の恐ろしさだ。

 かつての帝国が、歴史的にも、実態的にも固有の領土ではない島=土地を領土と主張し、それに固執すること。その底意に潜むものを思うとき、背筋が寒くなる。

(英)

(発行 新幹社、定価二千五百円) 


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