民族時報 第1112号(07.05.01)


【焦点】国民投票法 与党単独で衆院通過

    「9条改悪」へ地ならし

 日本の衆議院は四月十三日、憲法改正手続きを定める国民投票法案を与党単独で可決した。同法案は参議院に送付され、来月中には参議院でも可決されることがほぼ確実視されている。

 日本国憲法の規定では、改憲は衆議院と参議院でそれぞれ三分の二以上の賛成で発議し、国民投票に問うことになっている。しかし国民投票法が制定されていないため、改憲発議は事実上不可能だった。

 今回の国民投票法案の可決は、戦争の放棄と戦力不保持を定めた憲法第九条を改悪するための法的な準備が整ったことを意味する。安倍首相は同法案が衆院を通過したことを受け、「今の内閣で憲法改正が実現することを望む」と語った。

 与党の国民投票案には、一定の投票率に達しなければ投票自体を無効にするという最低投票率制は盛り込まれておらず、投票率にかかわらず、有効投票数の過半数が賛成すれば改憲案が承認されることになり、「有権者の一、二割の賛成で改憲案が通る」との懸念も指摘されている。

 同法案には公務員の政治的行為の制限やテレビ広告規制が盛り込まれているが、これに対して「どんな政治的行為が許されないのか不明確」との批判があり、テレビ広告が投票二週間前までできることについても「潤沢な資金力を持つ勢力が広告を買い占め、改憲の大キャンペーンが展開される」といった懸念も示されている。

 韓国では有権者の五〇%以上が投票しないと国民投票そのものが無効になる。イギリスでは、投票率に基準はないが、有権者総数の四割が賛成しないと成立しない「絶対得票率制」をとっている。

 国民投票法案が成立すれば、衆参両院が憲法調査会を立ち上げ、国会で改憲を準備できるようになり、二〇一〇年からは改憲案についての国民投票を行うことも可能になる。

 安倍首相は、靖国神社参拝問題、歴史教科書問題、日本軍「慰安婦」問題などについて、過去の歴史をわい曲して日帝の侵略蛮行を美化している。また教育現場での「日の丸・君が代」の強制を強めており、最近では歴史教科書の検定で沖縄戦での日本軍強制による住民の「集団自決」についてもわい曲、日本軍の関与を否定する表記になった。

 日本の平和憲法改悪は、歴史認識と倫理観が欠如したまま強大な軍事力と「交戦権」をもった危険な国家への変ぼうを意味している。それは、韓国をはじめアジア民衆にとって脅威だ。

 これまで守られてきた平和憲法が、危機にさらされている。日本の平和勢力の真価が問われている。


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