民族時報 第1079号(05.11.15)


【解説】海外運動を正しく評価/政策是正の土台形成へ

    在外同胞NGO大会に参加して

 

孫亨根(韓統連中央本部副議長)

 在外同胞の権益伸張をめざす第二回在外同胞NGO活動者大会(在外NGO大会)が十一月一日から四日間、ソウルで開催された。この大会にわたしを団長に、韓統連大阪本部の金昌五事務局長、韓青中央本部の文世賢委員長、民主女性会の金知栄会長ら、韓統連代表団四人が参加した。韓統連代表団が在外NGO大会に参加してえた成果について述べたい。

 韓統連は今年度方針で在日同胞の民族性かん養と権利伸張のためにより一層の努力をかたむけることを決議し、在日同胞政策委員会を立ち上げた。委員会が作成した原案に対する論議も各級機関で始まっていた十月下旬、韓国の市民団体である地球村同胞青年連帯(KIN)事務局から韓統連に第二回在外NGO大会への参加招請状が届いた。昨年の第一回大会には参加の機会に恵まれなかった。今回も招請状の受け取りから大会の参加決定までの期間が短く、あわただしく参加したが、われわれは今回の大会参加によって、画期的で貴重な成果をあげることができた。

 第一に、今回の大会を通じて韓統連が自主・民主・統一運動だけでなく在日同胞の権利伸張をめざすNGOとして国内外で認知、評価される重要な扉を開いたことである。三十年もの間、韓統連が公開的に韓国の市民団体と交流することや在日同胞の権利を韓国で主張する権利を奪われてきたがゆえに、在外NGO大会に韓統連が参加すること自体が画期的であり内外に高い関心を呼んだ。韓統連の代表らが発言するたびに、大会参加者の韓統連代表団に対する熱い視線を感じた。わたしは発題「在日同胞社会の民主化運動」で韓統連の自主・民主・統一運動の輝かしい闘争史と名誉回復に至る経緯を解説した。これに続いて、監理教神学大学の鄭基烈教授は基調講演で「海外同胞運動を語るとき韓統連が歩んだ苦難の道を抜きにしては語れない」と力説した。このことに象徴されるように在外NGO大会の特色のひとつが、海外同胞運動における韓統連の高い位相を確認するとともに、海外同胞の権利伸張に対する韓統連の今後の運動に強く期待するものであったといっても決して過言ではない。

 第二に、今回の大会を契機に韓統連が国内外の市民団体および海外民族団体との連帯と連携を構築したことだ。在外NGO大会を主催したKINは一九九七年に結成された海外同胞の権利伸張を目的とする韓国の市民団体である。所属メンバーはあふれるような同胞愛で、在外同胞活動家を温かく迎えてくれた。過去の韓国政府の棄民化政策を痛烈に批判しながら在外同胞の権利伸張のために献身的に活動している彼らの存在は、われわれにとって実に頼もしく、信頼に値するものだった。あわせて大会に参加した長い間の同志である欧州や米国の代表らとも連帯のきずなを再確認するとともに、中国、ロシア(サハリン)などのNGO同胞活動家とも新たな連帯を約束する場となった。

 第三に、今回の大会が韓国政府の在外同胞政策の現状について学び、その根本的是正の実現に向けた大きなステップとなったことだ。「ドッコ大会執行委員長(KIN代表)は、在外同胞支援の担当行政部署である外交通商部の課長と対面しながら、「過去の六十年間は棄民安保政策だった。棄民政策に対して政府は謝罪しなければならない」と断言した。また大会資料には国政監査資料などを活用した具体的な統計をもとに、政府の在外同胞団体への支援金支給が、ある特定団体だけに極端に偏重しており、公正ではない事実が報告されている。これは政府の在外同胞支援がいまだに冷戦的な思考から抜け出せず、六・一五共同宣言の精神に転換されていないことに起因している。

 わたしは今回の在外NGO大会がこのような韓国政府の在外同胞政策の抜本的改革にむけた確かな出発点となったと確信した。当然それは今後、韓統連が在日同胞政策を定立するうえで重要な与件となるだろう。

 最後に、今回の順調な大会運営のために尽力してくれたKINをはじめ主催団体のメンバーに心から敬意と感謝の言葉を送りたい。


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