【焦点】民労党要求 「不平等協定の改正急げ」
駐韓米軍犯罪野放し
駐韓米軍兵士による犯罪が頻発する韓国で、二〇〇〇年から二〇〇五年までに米兵容疑者が警察当局に拘束、捜査された例が一件もないことがわかった。現在開会中の韓国国会の国政監査で、警察庁が民主労働党の李永順議員に提出した資料で明らかになったもので、李議員が九月二十六日に公表した。
警察庁が提出した資料によると、〇〇年から〇五年までの五年間に通報された駐韓米軍兵士の犯罪は七百八十件で、内訳は殺人三件、強盗十九件、性犯罪(レイプ)五件、窃盗百四十九件、暴行五百三十件などとなっている(交通違反などの軽犯罪は除外)。凶悪犯罪が約八百件に達するにもかかわらず、警察による米兵容疑者への拘束、捜査が一件もないことに、内外で大きな物議を醸している。
〇一年に改定された韓米駐屯軍地位協定(SOFA)によると、殺人や性暴行事件のような凶悪犯罪の米兵容疑者の場合、米軍は米兵容疑者の身柄引き渡しを要求しないことになった。また、〇二年に韓米間で合意したSOFA運営改善案でも、@初動段階での捜査協力の強化を打ち出した。つまり、警察官が現行犯の米兵の身柄を確保した場合、一時間以内に米軍当局者が警察に出向き初動捜査に協力することになっている。
ところが、実際には捜査協力はほとんどなく、米軍当局者に米兵容疑者の身柄を引き渡すことになっているのが現状だ。SOFA部分改定や運用改善は当初、初動捜査の段階で韓米当局が協力できるようにすることが目的だったが、しかし現場の警察官に周知されていないか、通訳がいないため米兵容疑者の身柄引き渡し前の捜査が行えず、結果的に身柄引き渡しを早めるだけになっている。
民主労働党の李議員は、早期にSOFAを改正し、韓国当局の権限を拡大させる必要性を指摘した。また改定前でも可能な措置として@米軍基地の密集地域や米兵犯罪頻発地域の警察署に米軍関連事件の専門担当者を配置するA警察庁が〇三年に作成した「地位協定関連事件初動捜査指針」を現場の警察官に周知するB病院案内や救済手続き案内など、犯罪被害者への支援制度を米軍関連犯罪にも拡大する、ことを提案している。
今回明らかになった米兵容疑者の拘束、捜査ゼロに、韓国民の多くは「〇二年の米軍装甲車による女子中学生二人のれき殺事件の教訓が何ら生かされていない」として、SOFAの全面改正を求めている。