民族時報 第1076号(05.10.01)


【解説】採択0.38%で惨敗/国内外で連帯の実現

    「つくる会」わい曲教科書問題の決算

 

宋世一(韓統連中央本部事務総長)

 「新しい歴史教科書をつくる会」(つくる会)のメンバーが執筆し扶桑社が発行する、いわゆる「わい曲歴史教科書」の採択をめぐり、この間全国で激しい攻防が繰り広げられてきた。各教育委員会での教科書採択が八月いっぱいで終了したのを受けて、「子どもと教科書全国ネット21」は九月一日、都内で記者会見し、「つくる会」の歴史教科書の採択が一部地域に限定され、その結果、採択率が〇・三八%(約四千八百部)にとどまったことを明らかにし、同ネットなど十五団体は同日「市民の良識と民主主義の勝利」とする共同声明を発表した。

 「つくる会」は今回、一〇%の採択率を目標に掲げ、各地で教科書の採択を狙った。日本政府は「わい曲歴史教科書」を検定で合格させ、自民党などが事実上採択を後押しした。しかし、各地に広がった採択阻止の運動と世論は、採択推進勢力を押しやり、こうした状況をつくり出した。

 「わい曲歴史教科書」の採択は、日帝による侵略戦争と植民地統治を正当化するものであり、在日同胞としても決して看過できない重要な問題である。韓統連は検定発表直前の四月四日に、文部科学省を訪れ、「わい曲歴史教科書」を検定通過させないよう強く申し入れた。その後、大阪、東京など各地の教育委員会に、「わい曲歴史教科書」を採択しないよう申し入れを継続した。民団も青年会を中心に採択阻止運動を行った。

 韓国内からも、採択阻止の運動に連帯し共同する運動が展開された。八十七の市民・学術団体の連帯機構である「アジアの平和と歴史教育連帯」(歴史教育連帯)は、市民から集まった約六億九千万ウォン(約六千九百万円)のカンパをもとに、七月から八月にかけて、十四回も日本の全国紙、地方紙に意見広告を出した。歴史教育連帯のメンバーらが訪日して、共同キャンペーンなどを繰り広げたりもした。また、韓中日の三国共同執筆による歴史副教材「未来を開く歴史」を発刊し、平和主義の観点に基づいた正しい歴史認識を具体的に提示した。

 今回の勝利は、日本だけでなく、在日、韓国にもまたがる良心勢力の勝利であるといえよう。


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