民族時報 第1065号(05.05.21)


【資料】「同時行動』で解決へ/韓国、責任ある主体

    米の対北先制攻撃 わが民族共滅招く

金大中前大統領

 金大中前大統領は十二日、韓国神学大学創立六十五周年行事で「朝鮮半島と東アジアの平和ビジョン」と題して講演した。インターネット紙「プレシアン」(五月十二日付)に掲載された講演を要約して紹介する。

 いま朝鮮半島は非常に不吉な危機局面に入っているようだ。この原因は北朝鮮の核問題に解決策が出されていないからだ。しかし、北朝鮮の核問題の解決は、見方を変えればとても簡単に実現できる。それは朝米交渉を通して「核放棄、後検証」と「体制の安全保障と経済制裁解除」を同時に行うことだ。朝米がこうした姿勢で臨むなら、六者協議はこれを受け入れて、その実践を共同で保証することができ、もし一方が約束を破ったなら六者協議でその責任を追及する適切な措置を取ることができるだろう。

 特に米国はこの段階では、核問題を平和的に解決するという原則を固守して、制裁措置を急いではならない。いま米国の一部でうんぬんされている先制攻撃は、わが民族を共滅させる憂慮があり、絶対に同意できない。

わたしは、現段階は北朝鮮の核放棄に見合う対価を与える内容を交渉する段階だと考える。朝鮮半島の核問題が破たんするなら、その被害はほぼ全面的にわが民族が負わなければならないのだから、この問題の一番の当事者である韓国の主張を尊重して、その役目を活用しなければならない。

米国内の一部では、対北強硬措置に同調しない韓国に対する批判が提起されている。最近の世論調査をみると、韓国民の九〇%以上は米国が好きだと回答したが、米国のイラク戦争に対しては反対が多く、日本、イギリス、フランス、ドイツなど米国の同盟国でも同様の傾向を見せている。つまり、「米国は好きだが誤った政策は反対する」というのが韓国の態度で、いま米国内の一部で主張されている一方的な韓国批判は妥当ではない。

北朝鮮の核保有は誤った戦略であり、韓国と合意した「朝鮮半島非核化宣言」にも違反している。北朝鮮は核放棄の用意を継続して明らかにし、交渉に臨まなければならない。最近話題になっている核実験は決して行ってはならず、もし行われたならば北朝鮮は国際的に大きな反発をまぬがれないだろう。北朝鮮はなによりも、六者協議に出席して言うべきことは言い、要求すべきことは要求する堂々とした交渉態度を見せなければならない。

 北朝鮮はまた、韓国とも当局者会談あるいは首脳会談をただちに開いて、核問題はもちろん民族共同の課題に対して対話し、協力しなければならない。もしソウルに来られないなら、京義線のトラサン駅でもよい。これが六・一五共同宣言を順守する道であり、わが民族同士で解決する道だ。

 韓国政府は九一年の「朝鮮半島非核化宣言」の当事者なのだから、これに違反した北朝鮮の核問題処理においても当事者だ。韓国は北朝鮮の核問題の論議で、積極的な役割を果たす権利があり、責任がある。われわれは北朝鮮に対して六者協議に積極的に協力して、核を完全に放棄するよう働きかけなければならない。同時に米国に対しても、北朝鮮に対する柔軟な態度で核放棄に対する対価を明確に提示するよう要求しなければならない。

 韓国からの肥料と食糧の支援は、韓国に対して不信と敵対感を持っている北朝鮮の民心を感謝とあこがれに変えるのに相当な寄与をしている。肥料と食糧支援は核と分離してあつかう必要がある。

 わたしは二〇〇〇年の首脳会談で金正日国防委員長と民族自主問題に合意し、三段階統一方案の第一段階である南北連合制方案に合意した。また経済、社会、文化、スポーツ、環境などの協力と、最も難しかった金国防委員長のソウル答礼訪問にも合意した。首脳会談の後、離散家族の再会、南北間の緊張緩和、 開城工団など経済協力などの成果をあげることができた。北朝鮮と和解し協力することは、北朝鮮のためだけでなく、韓国の安保と経済的跳躍をもたらすためにも必要だ。北朝鮮に対する経済的進出がもっと拡大すると、韓国の失業者と四百兆ウォンを超える遊休資金、限界状況に達した中小企業問題などを解決するのに大いに寄与するだろう。


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