民族時報 第1047号(04.10.11)


【投稿】わが闘い、国内同胞へ/ソウルと光州、感慨深く

    故国訪問事業のアンサンブル公演

 

金隆司(韓統連大阪本部副代表、アンサンブル総責任者)

 

身の引き締まる思い

韓統連のアンサンブルの歴史は、一九九〇年に大阪で開かれた「全労協支援コンサート」から始まる。

韓国の労働者の闘い、民衆の民主化・統一への熱い闘いを、より臨場感をもって感動的に伝えるために、ナレーションと歌(主に闘争歌)に映像を交え、また詩の朗読も加えて公演したところ、非常に大きな反響があった。

 好評の要因は、視聴覚に訴えるアンサンブルという方法のよさに加え、出演者の技量が非常に高かったことがあげられる。韓統連の会員である活動家の彼らは、素人とはいえプロ顔負けの実力を持った人たちが、韓統連大阪に集まっていたことが幸いした。

 それ以降、第一回汎民族大会の前夜祭・海外同胞大会(東京)、第一回汎民族大会(板門店)、第二回汎民族大会の海外同胞大会(九一年、東京)、第三回汎民族大会(九二年、ピョンヤン)など、韓統連が主催、参加する大きな行事で公演し、好評を博してきた。

 第一回公演から早くも十四年が経過した。

 大阪を中心に東京、広島、そしてピョンヤン、板門店でも公演された韓統連のアンサンブルが、今回韓国で初めて公演されることになった。身の引き締まる思いである。

在日の「過去清算」を

 過去のアンサンブルは、韓国の民衆の闘いを在日同胞と日本人に伝えるものだったが、今回は、韓統連の闘いを国内の同胞に伝える内容となる。

 韓統連の運動を理解してもらうためには、まず、在日同胞の歴史と現状を理解してもらうことが必要である。

 在日同胞は日帝時代、亡国の民として、祖国を離れざるをえなかった同胞の子孫であり、解放後は日本というきびしい差別社会のなかで、最底辺での生活を強いられた。

分断による敵対と対立が、そのまま在日同胞社会に持ち込まれ、日本政府の同化政策と韓国政府の棄民化政策によって在日同胞の二世らは、民族の自覚と誇りを持ちえなかった。

しかし、六〇年の四月革命を契機に、韓国で独裁政権と果敢に闘う民衆に希望と勇気をえて、民主化と統一のために国内の同胞と同じ思いで、日本の地で闘ってきた。

 また、在日韓国人社会の「過去清算」についても訴えたい。

 韓統連は、民団から排除されているが、在日同胞社会から排除されているわけではない。

過去の軍事独裁政権時代に、大使館が民団に介入し、民団内の良心勢力を追い出した歴史が、いまだ清算されていないことを、韓国政府そして現在の参与政府はどう総括し、清算するのだろうか。

伝えたいことは山のようにあるが、時間も限られており、またアンサンブルで伝える内容にも限界がある。一度の公演でどれだけのものが表現できるのか、また理解してもらえるのか、不安もあるが、少しでも多く、少しでも深く理解してもらえるように創意工夫していきたい。

新たな出会い契機に

ソウルでは白凡記念館で、光州では五・一八記念文化館で公演が予定されている。

上海で「大韓民国臨時政府」の主席をつとめられた白凡・金九先生の記念会館で韓統連が公演するというのは、なにか因縁めいたものを感じずにはおれない。

また、分断時代の最も激烈な民衆抗争である光州民衆抗争を記念する会館での公演も感慨深い。

アンサンブルは韓統連の闘いの中から生まれ、育ってきた。

今回の公演が国内同胞と韓統連の連けいと理解を一層深め、韓統連の新たな地平での運動の契機になるよう、精一杯努力したい。


[HOME] [MENU] [バックナンバー]