【論説】保安法死守の反時代性示す/国民の審判を恐れるあまり
政争に熱中するハンナラ党
半世紀を超えて、左右対立を利用した政権維持と国民弾圧の道具に悪用されて来た国家保安法(保安法)がいよいよ廃止される展望だ。保安法によって、多くの人々が犠牲になり、深刻な人権侵害を受け、祖国統一と社会発展が阻まれてきた。そのため、盧武鉉大統領の「政権に反対する人々を処罰するのに使われてきた独裁時代の古くさい遺物である保安法を廃棄するのが正しい」(九月五日MBC対談)との発言は、国内外で大きな歓迎を受けたのだ。国連は韓国政府に対して何度も保安法廃止勧告を出し、米国でさえ「二〇〇〇年の国別人権実態報告書」で、「北朝鮮との接触を禁止する保安法は表現の自由をはじめ、市民的権利を侵害している」と指摘した。
一方、民主労動党は保安法廃止を力説した盧大統領発言を支持・歓迎し、廃止のためにウリ党と共同歩調をとると約束した。国家情報院の高ヨング院長は九月七日、国会情報委員会で「保安法を廃止する方途も検討できる」と述べて、国家情報院と関係する過去の疑惑事件の真実究明に関して、調査の公正性と客観性を確保するために学界、宗教界、法曹界、市民社会団体が推薦する人士を含む「過去の歴史の真相究明を通じた発展委員会」の構成が推進中であることを明らかにした。国家人権委員会はすでに基本的な自由と権利を幅広く侵害する保安法の廃止を建議している。
社会・市民団体も保安法廃止を全面的に支持し、全教組出身の元老教師らは守旧冷戦的な反共教育を拒否できず恥辱にまみれて暮してきたと「反共教育ざんげ宣言」をした。 保安法廃止の国民的共感帯が形成されている。
ハンナラ党「保安法廃止絶対反対」
ところがハンナラ党の朴槿恵代表は、保安法廃止は親北活動の合法化を意味し、大統領が先頭に立って大韓民国の体制の武装解除を強要しているといいなが、「私のすべてをかけて自由民主主義と市場経済を守る最後の安全装置である保安法廃止を阻止する」(九日特別記者会見)と公言している。その上、ハンナラ党内では「盧大統領は弾劾の対象」(李揆澤最高委員)、「称賛・鼓舞・会合通信を合法化しようとする主張」(張倫碩議員)などという時代錯誤的な発言が垂れ流されている。議員の資質を疑わせる無責任な発言だ。保安法第二条の反国家団体条項を何があっても現行通り維持しようとするハンナラ党は、まったく理性を失っているようだ。
自由民主主義と市場経済を保安法が守るとの朴代表の言葉には何の説得力もない。自分のすべてをかけて阻止するとの悲壮な(?)覚悟は、国家保安法廃止によって既得権維持が困難になるのが恐ろしいからだ、という以外に解釈できない。
ハンナラ党は、国民が解決を切実に望んでいる過去清算問題に関しても真相究明をはばむのに汲々としている。親日のイメージが浮上するのが恐ろしく、真相究明法改正に反対した当初の立場を変えて独自の改正案を用意したが、その内容は真相究明ではなく真相隠ぺいだ。ハンナラ党の改正案を見ると、調査機構を大統領所属で学術院傘下に置き、親北活動も調査対象に包めるというのだ。学術研究機関として設立して真相究明ができないように無力化させるつもりなのだ。
危うくなった冷戦守旧勢力の既得権
一方、ウリ党が国会行政自治委員会に上程した「真実究明と和解のための過去の歴史整理基本法案」は、現行法どおりに大統領直属の国家機構とし、同行命令権、捜査依頼権、赦免建議権などを付与する内容だ。解放後の公権力による人権侵害を包括的に調査できるように「民族および国家に危害を加えた行為」も調査対象に包めて六一年の朴正煕元大統領の五・一六軍事クーデター、七九年の全斗煥元大統領の一二・一二粛軍クーデターなども調査対象にできるようにしている。
ハンナラ党と歴代独裁時代に高職にあった守旧冷戦勢力が、保安法廃止と親日真相究明など、政府の改革政策の妨害に乗り出す理由は、国民の審判台にあがるのが恐ろしいからだとしか解釈できない。
ウリ党の李富栄議長は「国家保安法廃止で不安になるの安保ではなく冷戦守旧勢力の既得権」(十日特別記者会見)と発言した。千正培院内代表は「国家保安法の固守を主張する人は民主主義を語る資格がない」(九日政策議員総会)と主張した。正しい主張だ。南北交流協力の時代に、北を反国家団体と規定してきた国家保安法を存続させるということ、その自体が六・一五共同宣言に反する行為だ。南北合意書と六・一五共同宣言、南北首脳会談で、お互いを認定しわが民族同士で統一すると約束したにもかかわらず。
ハンナラ党は既得権死守に気を取られている時ではない。時代と国民の要求が何であるかに真剣に耳を傾けなければならない。
(金明姫記者)