民族時報 第1045号(04.09.21)


【トップ記事】「完全廃止」か「代替立法」かが争点に/保守陣営 存続に向け血眼

    国家保安法廃止 年内にも

  制定以来五十六年間、政権安保の道具として数限りないえん罪事件と人権弾圧に悪用され、国際的にも悪名をはせてきた国家保安法(保安法)の廃止が具体化している。盧武鉉大統領が五日に保安法廃止の立場を明確にしたのを受けて、与党の開かれたわが党(ウリ党)は廃止のための準備作業に入った。一方、廃止に反対するハンナラ党と保守陣営は、「存続のためにすべてをかける」としており、定期国会での激突は必至の情勢だ。完全廃止を主張してきた人権・社会・市民団体は、政府与党の廃止の動きを歓迎しながらも、刑法の強化や代替立法に強い警戒感を示している。

 鄭東泳・統一部長官は六日、「盧大統領は国家保安法に対して明確な廃止の立場を示した。それがまさに政府の立場だ」と明らかにして盧大統領の発言を再確認した。

  ウリ党は九日、議員総会を開き国家保安法を廃止するとの党論を確定するとともに、刑法での補完や独立した特別法を代替法として制定するなど、対策を準備することにした。同党の千正培院内代表は総会後、「わが党は保安法が反民主的で反人権的である点を考慮し、同法を廃止することに決定した。同時に廃止によって生じうる安保上の空白に対する不安を補うための方法を講じることにした」と明らかにした。

 同日の議員総会では、禹潤根議員がまとめた刑法補完案と崔載千議員が準備した「破壊活動禁止法」という法律名の別途立法案が紹介された。

ウリ党は党内にチームを構成し、秋夕(九月二十八日)前に刑法補完か代替立法かをいずれかを選択することにし、通常国会の会期中に保安法の廃止と補完法案を同時に処理することにしている。

民主労働党は十三日、国会正門前で「国家保安法完全廃止のための闘争宣布記者会見」を開き、党論である今国会での「完全廃止」を再確認し、全国で「国家保安法廃止のための百万人署名運動」などの汎国民的運動を本格的に展開することを明らかにした。

三百一の社会、市民団体で構成する「国家保安法廃止国民連帯」(国民連帯)は六日、盧大統領の発言を「高く評価し、積極的に歓迎する」と明らかにした。しかし、ウリ党の補完、代替立法方針に対しては「保安法のガン的な要素を刑法に補完するのは、刑法を『保安法化』するもので、代替立法は『もう一つの保安法作り』だ」と批判し、完全廃止を要求した。国民連帯は民主労働党などと連係して、百万人署名運動、大規模コンサートなど連続的な大衆運動を展開していく計画だ。

 ハンナラ党の朴槿恵代表は九日、緊急記者会見で保安法の改正が必要だとしながら「代表の座などすべてをかけて廃止を阻止したい」と述べた。同党は十日、議員総会を開いて北朝鮮を「反国家団体」とする規定を維持した保安法「改正案」を確定した。さらに十三日には党舎に「国家守護非常対策委員会」の看板を掲げて「保安法守護闘争」を宣言した。

 また、軍事政権時代の歴代首相や国会議長ら保守系の元老ら四百人は九日、「保安法廃止決死反対」を叫んで集会を開いた。

  保安法をめぐって国内では進歩と守旧、民主と独裁残し、統一志向と対決志向の全面的な対決状態が作られている。 


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