【コラム】
ブッシュだけはだめだ
十一月二日の米大統領選挙の争点は「ブッシュか、反ブッシュか」だ。
それはそうだろう。ブッシュ氏を候補に指名した共和党大会は政策綱領を採択したけど、その内容たるや正気の沙汰じゃないもの。いわく、ブッシュ氏のもとで「米国や世界はより安全になった」。大量破壊兵器はなかったが「フセインに開発能力と意欲があった」から「米国は正しいことをした」んだとさ。おまけに、「対テロ戦争」は先手必勝で「危険が高まり始めた(とブッシュが思った)段階で対処」すると息巻いている。
でも、当のブッシュ氏はテレビで「対テロ戦争に勝てるとは思えない」と本音を吐いちゃった。で、とりまきに叱(しか)られて、次の日には「攻勢を続けることで勝つ」とオウムのように何度も繰り返したんだな。
ところでブッシュ氏よ、本当に「より安全になった」のかね。あんたがイラクに送り込んだ、貧しい、多種多様な民族の米国籍の兵士がすでに千人以上も死に、家ではやさしい父親や娘が、アブグレイブ刑務所でイラク人に虐待の限りをつくすほどに人間性が破壊されているに。
スペイン、トルコ、ロシアなど、世界のいたるところで無差別テロが起こっている。ファルージャ、バグダッド、ナシーリアなどイラク全土で米軍による虐殺がほしいままだ。韓国人の金鮮一氏のように民間の外国人が拉致され虐殺されている。あんたが支援するイスラエルによって、全パレスチナ人がゲットーに送り込まれたような状態にあるのに。
〈ブッシュ氏のもとで世界はより危険になった〉
だから共和党大会を前に、五十万人もの人びとが「ブッシュでさえなければ」と集まり、デモ行進したんだ。投票率五〇%そこそこの米大統領選挙。だから、この草の根の力は、ブッシュ氏を葬り去る原動力だ。
そうだ東京にも石原慎太郎氏がいた。こんな人物らが「合法的」に権力者になっている世界の本質的な危うさ。だから、高みに立たず、あきらめず、粘り強く、そして地道に、闘うほかないんだ。本当に。(英)