【論説】先制攻撃演習と新兵器開発、民族利益に逆行の対米追従
米国の恐るべき北朝鮮攻撃計画
ブッシュ政権の朝鮮半島戦争準備が露骨に展開されている。米国防部は最近、対北攻撃を目的に、既存の地下貫通爆弾よりももっと深く入る新型地下貫通ミサイル(ATACM―P)弾頭の開発と試験発射に成功した、と軍事専門の週刊誌ディフェンス・ニュースが報道した(連合ニュース七月十三日付)。米国防当局は一年後に開発計画が完了すれば、駐韓米軍に六基を優先的に配置する予定であり、運用結果によって追加配置があるとしている。
地上から発射される地下施設破壊用のこの兵器は、射程距離が三百キロメートルで、地下の岩盤やコンクリートなどの破壊が可能であり、秒速一キロメートルの速度で十メートルの貫通力を持っている。この新型兵器は、今後四年間に百十一億ドルが投入される駐韓米軍の再配置戦力増強計画に含まれる可能性が高いといわれる。
そのうえ、北朝鮮をねらった地下貫通の核兵器「バンカバスター」の研究費を来年度予算に含めるようラムズフェルド国防長官が議会に要請し、承認を待っているところだ。米国が現在保有している地下施設破壊用の核爆弾B61―11は、土質の地下には有効だが岩盤の地下では威力を発揮できないからである。ブッシュ政権は朝鮮半島の非核化原則に違反して、先制攻撃戦略にともなう恐るべき朝鮮半島核政策計画を立てているのである。
地上、空中から集中砲火
米国は六月末、レーダーに映らなく夜間爆撃と精密打撃が可能な最新鋭戦闘爆撃機ステルスF―117を十機、群山空軍基地に配置し、現在猛訓練をしている。その爆撃対象はまさしく北朝鮮である。
一方、米軍は横須賀に配置された空母キティホークのほかに、グアム、ハワイを母港に数年内に一隻の航空母艦を太平洋に追加配置するとしている。この空母の護衛のためにミサイル迎撃システムをそなえたイージス艦なども別途に配置する計画だという(朝日新聞七月十六日付)。米海軍が地上の攻撃力、制海権確保の中核として位置づけている航空母艦を、太平洋に二隻配置することにしたのは、朝鮮半島と中国への攻撃力を強化するためである。「アジアでは海・空軍戦力を増強する」(パイス国防次官)との方針にしたがって、駐韓米軍の削減を空母機動部隊の増強で対処しているのだ。
海と空中で精密誘導弾などの圧倒的な戦力を投入できるならば、地上兵力は現状どおりに維持する必要がなくなる。駐韓米軍の部分削減に隠されている意図が何なのか、さらに明らかになっている。
体制転覆狙う人権法案
イラク侵略戦争で、ブッシュ政権は自国の利権と欲望を満たすためには、どのような醜悪な行為も辞さないことを見せつけた。十一月の大統領選挙を前にして、ブッシュ大統領は勝利を夢見て「九・一一テロとイランの関連を調査している」とし、イランを別のいけにえにすることを示唆した。米国の強硬派も、すべての手段と方法を動員してイランの核兵器入手を阻止することを勧告するなど、事実上の先制攻撃を承認する発言をしている。ロンドンで発行されるアラブ新聞「アル・ハヤトゥ」は最近、ブッシュ大統領が再選に成功すればイランに軍事攻撃を加え、シーア派イスラム聖職者が実質的に支配する現政権の転覆を企図するだろうと報道した。
一方、米下院は七月二十一日、脱北者に対する大々的な支援を内容とする「二○○四年北朝鮮人権法案」を満場一致で通過させた。「人権」を口実に脱北をあおり、支援して、政権内部を瓦解させるというのだ。軍事的に地上と地下、空中から先制攻撃を加える一方、社会的に住民をかく乱させて体制を転覆させようとするのが人権法制定の目的である。
このようにブッシュ政権は朝鮮半島の平和と安定どころか、むしろ朝鮮半島の戦争計画に余念がない。しかし、韓国政府は韓米同盟を重視してイラク追加派兵を確定した。米国がしでかした侵略戦争の後始末のために国軍を派兵し、貴重な命を犠牲にさせようとするのは、許すことができない。同盟関係がいくら重要だとしても、自国の国益に勝るものではない。そのうえ、先制攻撃で第二の朝鮮戦争の準備をしている米国に同調する矛盾は、犯してはならないのだ。
イラクに派兵したスペイン、ドミニカ、ホンジュラス、ニカラグアなど四か国はすでに軍撤収を完了し、タイは撤収を開始した。フィリピン政府はイラク抵抗勢力に拉致された国民を救出するために、イラク駐屯兵力を全員撤収させた。オーストラリア野党は十二月末の選挙で勝利すれば兵力を撤収すると公約し、オランダ、ニュージランドなども撤収を予定している。何よりも自国の国益を優先させたためである。
大韓民国が戦犯国になってはならない。ブッシュ政権の不当な圧力をはねのけ、自主の道に進まなければならない。 (金明姫記者)