【資料】
「民間人虐殺真相究明法」の制定を要求する196団体共同声明
「朝鮮戦争前後の民間人虐殺真相究明法」の制定を要求する
人権・市民・社会百九十六団体共同声明
第十七代国会が開会した。すべての政党が「原則」と「改革」を押し立てて、新しい国会、働く国会に生まれかわると明らかにした。われわれ人権・市民・社会団体は、各党が第十六代国会の旧態を抜け出し、国民的要望に合致する議院活動で時代的使命を果たすとの約束を、「朝鮮戦争前後の民間人虐殺真相究明法」の制定で立証しなければならないと考える。
これまで国会と国家は、朝鮮戦争を前後して米軍など国連軍、韓国軍、警察、右翼団体および人民軍によって百万人以上の民間人が何らの法的手続きをへることなく無残に虐殺されたにもかかわらず、その実状をまともに把握しようとさえしなかった。五百万人の遺族の痛恨が半世紀を超えて持続しており、朝鮮戦争前後の民間人虐殺事件の広範さと野蛮さが、まさに身震いするほどに残酷であるにもかかわらず、そのまま放置している現実は、人権国家を志向する民主国家では考えられないことだ。
民間人虐殺事件に対しては、四・一九直後の第四代国会で真相究明が試みられたが、五・一六軍事クーデターによって、その努力は踏みにじられた。五・一六軍事クーデター勢力は、むしろ遺族らを弾圧し、連座制によって彼らの一生を苦痛のなかへ追いやった。また歴代の反民主的な独裁勢力によって、虐殺の真実は徹底的にわい曲され隠ぺいされてしまった。こうして国家権力による不法な殺人犯罪を処罰できなかったことが災いして、韓国社会は半世紀が経過した現在も、依然として国家権力による不審死、拷問、ねつ造などの不法行為を経験する、不幸な歴史を重ねることになった。
このようにして、民間人虐殺の遺族らは過去三十余年間沈黙するほかなく、韓国社会の民主化が進展した九〇年代に入って、ようやく真相究明活動を再開することができた。そうした遺族と人権・市民・社会団体の努力で、第十六代国会では五十五年ぶりに民間人虐殺真相究明法が審議された。第十六代国会の行政自治委員会、過去史真相究明特別委員会、そして法制司法委員会を通過する間に、法案は真相究明ではなく事実確認にとどまる見すぼらしい法案にわい曲されたが、それでもう余曲折の末に三月二日の国会本会議に上程することができた。しかし、「補償法」だという糊塗と、「大韓民国破壊法」だとのこうかつな悪宣伝によって、真相究明法は過去清算四大立法のうち「唯一」、「否決」されてしまった。これは誤った過去を清算して民主主義と人権社会を築こうとする国民的な念願を踏みにじる、第十六代国会の暴挙だった。
第十七代国会は、民間人虐殺真相究明法を直ちに審議して通過させなければならない。この法律はもともと、第十六代国会で他の過去清算法案とともに制定されるべき法だった。立法に反対したハンナラ党が第一党から退き、否決を主導した守旧国会議員らが大挙落選したのは、国民の意志が過去清算にあることを反映している。そのうえ四・一五総選挙後、各党はマスコミや関連団体に、民間人虐殺真相究明法を最優先課題として立法するとの立場を明らかにしている。
われわれはまた、「しっかりとした」真相究明法の制定を要求する。韓国社会はすでに各種の過去清算立法の経験を持っているが、主務機関は常に短い調査期間と調査権限の不足、政府部署の非協力によって、まともな真相究明活動ができなかった。強調するが、今回の立法は組織的に行われた全国の民間人虐殺事件に対して、何よりも真実という価値に基づいて、徹底的に真相究明することを目標に、これに合致する法律にならなければならない。
われわれは、第十七代国会がまさに真実の土台のうえで改革の努力を傾注するよう期待する。全国民が鮮明に記憶している朝鮮戦争の悲劇、そのなかで発生した国家暴力の実体を一つひとつ明らかにして、二度とこのような悲劇が起こらないよう、制度的な装置を作らなければならない。このような課題を正しく遂行して行くとき、第十七代国会は国民と歴史が付与した責務を果たせるのである。
われわれは再度、第十七代国会が開会後、直ちに民間人虐殺真相究明法を制定するよう重ねて要求する。われわれ百九十六の人権・市民・社会団体は、各党の真相究明法制定努力を注視し、五百万遺族とともに、完全な法律が完成されるまで、すべての努力を傾注するだろう。
二〇〇四年六月一日
人権・市民・社会 百九十六団体一同(団体名省略)