在日韓国民主統一連合

〒101−0025
東京都千代田区神田佐久間町3−21 相原ビル4F
п@03−3862−6881/fax 03−3862−6882
E-MAIL:chuo@korea-htr.com

更 新 日:2008年8月15日(金)

最新号 第1142号を掲載しました

[Japanese] [Korean]

最 新 情 報

■南北・海外6・15委員会の8・15共同声明(2008.08.15) 新着

132 127 統計カウンターの表示   管理者で接続
 NAME  中央本部    DATE  2008.08.13 - 08:13
統一マダンが大盛況(08.08.15)

1500人参加/キャンドル灯し国内と連帯/参加者ら一つに/平和と和解へいまこそ

    統一マダンが大盛況

 朝米関係の改善と六か国外相会合の開催など、朝鮮半島を中心とする東アジア情勢が平和へと大きく動きだしているなか、「朝鮮半島の統一、民族の和解、平和なアジア、差別のない社会へ」をスローガンに八月三日、第十五回統一マダン東京が都内荒川区の旧真土小学校で開かれた。会場には地域同胞や日本の市民ら約千五百人が参加した。主催は韓統連東京本部、韓青東京本部、在日韓国民主女性会、部落解放同盟東京都連合会、全水道東京水道労組などで構成する実行委員会。また、荒川区、荒川区国際交流協会、(財)荒川区地域振興公社(ACC)、六・一五共同宣言実践日本地域委員会が後援した。(関連記事は三面)

 リハーサルのあいだにも続々と観客がつめかけて会場を埋め、出店のビールや韓国料理が飛ぶように売れていった。祝祭ムードが例年になく盛りあがるなか、司会者の開会宣言に呼応して、韓青関東地協と学生協関東のメンバーらが民族楽器を演奏しながら入場すると、会場はまたたくまにヒートアップした。

 

実行委員会を代表して梁炳龍・韓統連東京本部代表委員は、「統一の歩みは着実に前進しているが、不安要素は朝鮮半島と日本とのあいだに正しい関係がつくられていないことだ」と述べ、「二〇一〇年には、朝鮮植民地支配百年を迎える。いまこそ日本政府は、過去をふり返り、相手の主張に耳を傾け、制裁や圧力ではなく、対話と交渉で、統一する朝鮮半島と日本の新たな関係をつくるべきだ。そのために在日同胞社会の和合を促進し、韓日連帯を一層発展させよう」と主催者あいさつした。

 

 

 

 

 

 舞台では、東京朝鮮第一初中級学校の生徒らによる民族舞踊が披露されたほか、日本国際テコンドー協会荒川道場のテコンドー演武、金美福舞踊研究所の韓国伝統舞踊、韓国民衆歌謡ノレの会の闘争歌に加え、偽装売却の撤回と雇用確保を求めて日本にやってきた韓国シチズン精密労組の組合員の歌と踊り、闘争アピールがあった。また、韓青東京と学生協が国内のキャンドルデモに連帯して、参加者とともにキャンドルをともし、アンサンブル「歴史とのつながりを胸に」を発表、深い感銘を与えた。

 会場には、生ビールやマッコルリ(朝鮮のにごり酒)やさまざまな韓国料理、タイ風ラーメンなど、国際色豊かな出店が立ち並び、にぎわいを見せた。また、韓国進歩連帯をはじめ、国内から送られてきた横幕が飾られ、連帯の雰囲気を高めた。

 メインゲストの、北側オリニ(子ども)栄養パン工場広報大使である俳優の権海孝氏のトークショーでは、即興でイムジン江などの歌の披露があり、会場をわかせた。パン工場事業のブースでのサイン会にも、多くの人びとが列をつくり、事業の会員を多数獲得した。

もうひとりのメインゲスト、在日同胞歌手の李政美さんのコンサートでは、観客らも合唱に参加し、統一の素晴らしさ、平和への誓いを心の底からともにし、揺れるキャンドルの炎のなか、熱気は最高潮に達した。平和憲法を守る会の森本孝子共同代表の閉会あいさつに続いて、韓青、学生協、ゲストらとともに、楽器を打ち鳴らして韓国民謡で会場に集まった人たちと群舞を踊った。


【インタビュー】ともにひとつの心で活動を/市民として当然の社会運動

    統一マダン参加の権海孝氏に聞く

 統一マダン東京のメインゲストとして参加した、俳優で北側オリニ(子ども)栄養パン工場事業本部広報大使の権海孝氏のインタビューを掲載する。権氏は一九六五年生まれ、九二年に漢陽大学映画演劇科を卒業。俳優として数々の作品に出演する一方、社会活動にも積極的に参加している。

 ――統一マダン東京に参加してどうでしたか。

 「あたたかい雰囲気で、内容もよかったです。多くの人たちの努力が目に浮かぶようでした。いまは非常に厳しい状況であるにもかかわらず」

 ――統一マダン大阪との違いは感じられましたか。

 「大阪は公園が会場なので、舞台に集中するのがここより難しいでしょうね。東京の統―一マダンには、お年寄りから四十、五十歳台の方、それと韓青、学生協と同世代の若い方が網羅されていて、参加者の構成がうまくいったようでしたし、熱心に行う姿が目につきました」

 ――北側オリニ栄養パン工場の東京、東海事業本部が発足しましたが。

 「大阪本部を立ちあげて三年、国内のパン工場本部の意志ではなく、在日のみなさんが自発的に事業本部を発足させたことに深い意味があると考えます。パン工場支援、後援本部がつくられて、多少にかかわらず現実的に北側の子どもたちに栄養パンを送る過程も重要です。しかし、それ以上に、南北そして日本にいるみなさんが、現在の闘争空間ではなく、未来世代の子どもたちを考える形式の統一運動で、ともにひとつの心で活動できること、それが今後、日本社会で新たな求心点になるということ、それだけでもパン工場事業は成功していると考えます。 集まるお金よりも、集まる心のほうがより一層大切な空間が、日本でのパン工場事業ではないかと思います」

 ――キャンドル文化祭とデモなど、多くの社会活動にも参加されていますが。

 「社会活動への参加のきっかけは、簡単にいえば恥でした。わが国の政治、社会、政治指導者はどうしてこうなんだ、と酒場で不平不満をぶちまけるだけで、運動に参加しなかったことに対する恥でした。わが子をえて、アッパ(父)になっていく過程で考えが変わっていったのでしょう。わが子ができれば懸命に金をもうけ、いい暮しをしようとあくせくしますが、それだけで子どもたちが幸せに暮らしていけるとの確信がもてなかったのです。子どもたちの未来を思うと、どうしても祖国の分断を克服する問題をはずすことができないと思います。 それを解決しないなら、なにをしても絵に描いた餅なってしまいます。それでいま行っているように、市民社会団体の人たちが熱心に活動しているそのかたわらで、『頑張りましょう』と激励し、その人たちが疲れて苦しいときには慰労してさしあげる、そんなことができるなら、それが役割だと考えます」

 「今日もやはり、パン工場事業の会員を集める活動を手伝い、短い時間であっても、ここで暮らし、活動されている方がたに『支援してくださり、ありがとうございます』とお礼をいう、その程度の活動が、わたしに見合った仕事です。キャンドル集会の現場では道路に座って、キャンドルを掲げることもでき、また別の日には集会の司会のために、舞台にあがることもできるのです。それはまったく同じことです」

 ――ご家族は、そんな活動を理解されていますか。

 「活動しているから、子どもたちと妻から尊重されているようです」

 ――在日同胞にむけてのメッセージがあれば。

 「日本での『冬のソナタ』放送後の〇四年秋、初めて日本に来ました。それから、ショービジネスの関係でも数多くこちらへ来ましたが、在日同胞のみなさんに会い、民族学校を後援するための訪日とあわせると、もう二十数回日本に来ているようです。これを通してわたしは、これまでまったく知らなかったさまざまなことを学習しました。わたしたちが韓国の学校で学べなかった、不幸な大韓民国の、朝鮮の、近現代史のすべてが圧縮されている空間が、まさに在日同胞社会だったということです。まるでタイムマシンに乗って過去に来たとでもいうか、そんな感覚です。気が重くなることも、よくありました。反対に、民族学校を訪ねたことなどは、わたしを変化させて、はるかにましな人間にしてくれたようです。メッセージを伝えるよりは、なにかを守っていくということは本当に困難なことですから、六十年をこえて維持されてこられた方がたに感謝と、激励を申しあげたいです」

 ――韓統連や韓青、民主女性会と学生協の会員らに対しては。

 「在日朝鮮人社会のことを、いつも朝鮮総連と韓国民団という空間でのみ理解していたのですが、遅まきながら、まさに中間に非武装地帯のような空間を設定しておられる方がたが韓統連だということを知るようになりました。二〇〇〇年に韓青の友人らと初めて金剛山で会ったとき、こちらでもあちらでもない位置で、自主的平和統一のために運動しているという話を聞きました」

 「統一時代を迎えて、また統一したとしても、北であれ、南であれ、たやすく混じりあうこともできないですから、韓統連、韓青、民主女性会と学生協の会員のみなさんは、在日同胞社会の架橋として円滑に、わが民族をひとつにしていく役割を果たしていかれると思います」

 ――ありがとうございました。

  プリントプレビュー
削除修正

 NAME  中央本部    DATE  2008.08.13 - 08:11
【主張】統一・平和・和解に向けて(08.08.15)
統一・平和・和解に向けて

 六十年を超える不信と対立から、和解と協力へ。東アジアにおける冷戦がようやく終わり、朝鮮半島と日本との新たな時代が始まろうとしている。

 六月二十七日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の寧辺にある原子力発電所の冷却塔の爆破シーンが全世界に向けて中継された。これは、朝鮮半島の非核化のための六者協議での合意にもとづく「同時行動原則」を誇示し、北朝鮮の核廃棄に向けた確固とした意志を明らかにしたものだった。

 いまから十五年前の一九九三年、米国の偵察衛星によって世界中に明らかにされ、「北朝鮮の核開発疑惑」を象徴してきた寧辺の核施設の爆破は、これまで一触即発の危機状況にあった朝米関係の歴史的転換を象徴する光景でもあった。

 これは核問題だけでなく、第二次世界大戦後一貫して北朝鮮を圧迫してきた、米国の北朝鮮敵視政策の終焉(しゅうえん)を意味している。北朝鮮と米国の関係が敵対から共存へと劇的に転換しようとしているのである。

 朝米関係の変化は、朝日関係だけでなく、日本と朝鮮半島全体との関係にも大きな影響を及ぼす。

 朝鮮を植民地支配した日本と、分断国家の一方である韓国との国交正常化は、韓国を反共の防波堤とし、日本と韓国、米国の軍事同盟体制をつくりあげようとする米国の強い要請のもとで、日本と韓国、双方の民衆の強い反対を警察や軍隊を動員して弾圧した末に強行された。

 一九六五年の韓日条約において、「韓国を朝鮮半島における唯一の合法的な国家」と認定したのは、米国の北朝鮮敵視政策にもとづくものだった。

 米国の冷戦戦略が優先され、韓日間の対立、過去の植民地支配に対する歴史清算について、条文で「解釈」をあいまいにしたことが、「教科書問題」など歴史認識をめぐって、現在もくりかえされる混乱の根本要因だ。

 しかし、朝米関係の変化は、過去の侵略と植民地支配を合理化し、「北朝鮮の脅威」を名目に「再び戦争のできる国」へと社会の反動化を促進してきた日本政府の対応にも大きな影響を与えるだろう。

 いまこそ、平和と民主主義を愛する人びとが、声をあげ行動を起こして政治の流れを変え、歴史的な和解の時代、新しい時代をきりひらく絶好の機会が訪れたといえる。

 朝鮮半島の統一は、百年にわたる帝国主義の侵略と分断の歴史に終止符を打ち、自主的で独立した民族の歴史がようやく始まることを意味する。

 これは同時に、朝鮮侵略から始まった日本の近・現代の反民衆的でゆがんだ歴史に終止符をうち、アジア諸国との善隣友好を柱とした、新たな日本の歴史が始まることでもある。

 統一した朝鮮半島と日本との新たな関係が始まる、その過程で、朝鮮の民衆と日本の民衆とがともに解放されていく、新しい時代が始まる。統一・平和・和解に向けて、すべての人びとが手をたずさえて、前進しよう。

  プリントプレビュー
削除修正

 NAME  中央本部    DATE  2008.08.13 - 08:10
ブッシュ訪韓反対で1万人(08.08.15)

キャンドル集会 警察が強硬弾圧 市民ら強く抗議

    ブッシュ訪韓反対で1万人

 ブッシュ米大統領の訪韓に反対するキャンドル集会が五日、ソウルの清渓川広場で開かれた。これに対して警察は、機動隊を動員して強硬弾圧を行い、深夜まで激しいデモが繰り広げられた。

 この日、キャンドル集会に先がけて、市民団体の主催による「ブッシュOUT!李明博OUT!共同行動」集会が開かれた。参加者は、集会決議文を通して駐韓米軍の撤収と韓米FTA(自由貿易協定)の撤回などを求め、集会後、「ブッシュOUT!李明博OUT!」を叫びながら、キャンドル文化祭が開かれる会場まで行進を行った。

 しかし警察機動隊は、キャンドル文化祭が開始される前から会場周辺を封鎖し、これに抗議する市民らを連行するなど、強硬弾圧に乗り出した。こうした事態を受け、キャンドル集会が開始されて三十分後には、集会参加者らが「ブッシュOUT、李明博審判」を叫びながらデモ行進を行おうとして、機動隊と対じした。機動隊は、街頭でデモを行う市民らに対して、赤い色素を混ぜた水を発射し、「赤く染まった奴らはみんな連行しろ」などと叫びながら、散らばった市民らを次々に連行した。

 警察の鎮圧作戦に対して、市民らは解散と集合を繰り返しながら、深夜までデモを繰り広げた。

 この日の集会には約一万人の市民らが参加し(主催者発表)、百五十人以上が連行された。ほとんど警告もないまま次々と市民らを連行していく警察の強硬弾圧に、批判が高まっている。市民らと道路で座り込みをしていた姜基甲・民主労働党代表は、「李明博大統領は、ブッシュ大統領に対して少しでも意見を言うかと思ったが、旧時代的な鎮圧方式で国民の声を踏みにじった」と強硬弾圧を非難した。

 

 

 

 

 


「戦略同盟」は先送り

    韓米首脳ソウルで会談

 李明博大統領は六日、ソウルを訪問したブッシュ米大統領と大統領府で会談した。両氏は会談後、共同声明を発表し、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核開発問題の早期打開に向けた「戦略的連携の強化」や、韓米同盟を「未来志向的」に発展させていくことで合意した。

 李氏は「共生と共栄」を南北政策の基本にすえることを説明、ブッシュ氏はこれに支持を表明し、南北対話再開提起への「全面的な支持」を表明した。

 会談直前、米地名委員会が独島に関する記述を、「主権未指定」に変更したことが表面化したが、ブッシュ氏の政治判断で変更前の記述に戻した。李氏は米側の対応を高く評価し、謝意を表明した。

 両氏はアフガニスタンやイラクでの韓国政府の貢献や、二〇一二年にも予定される駐韓米軍の戦時作戦統制権の韓国軍への移譲に伴う米軍部隊の再編問題について協議した。しかし、同盟関係の再定義をして「韓米戦略同盟」を共同声明の形で発表することは見送られた。また、昨年四月に合意した韓米自由貿易協定(FTA)の早期批准は、それぞれの議会に働きかける方針を確認するにとどまった。

 会談の内容が乏しかったのは、米国産牛肉の輸入問題で爆発的に高まった反米および反政府世論が依然として強く、支持率の低迷から脱せない李氏側が踏み込むことをためらい、米側もこれに配慮したものと分析されている。

  プリントプレビュー
削除修正

 NAME  中央本部    DATE  2008.08.13 - 08:06     UPDATE  2008.08.13 - 08:09
【焦点】独裁時代へ急速に回帰(08.08.15)

【焦点】李明博政権、弾圧専門の機動隊創設

    独裁時代へ急速に回帰

 ソウル地方警察庁で七月三十日、魚清秀・警察庁長官らが参加するなか、「警察機動隊創設式」が開かれ、警察機動隊員による集会参加者鎮圧訓練が行われた。

 「法秩序を正す」ことを強調し、キャンドル集会の参加者に対して厳重に対応するという方針を明らかにした警察が、警察機動隊を創設したことに対し、市民社会団体は、「八〇年代の公安弾圧に回帰」しているとして、強く反発している。

 これまでの警察機動隊は、一九九六年以後、大幅に縮小されて有名無実化していたが、李明博政権の出帆後に就任した魚警察庁長官が、三月十五日に警察機動隊を再び新設し、キャンドル集会の参加者らを鎮圧するため、既存の警察機動隊四個部隊を中心に、人員を拡張して新たに再編、創設した。

 韓国には、戦闘・義務警察制度がある。一九七〇年に対スパイ作戦遂行のための戦闘警察隊設置法がつくられ、七五年には法改定により、戦闘警察の任務を対スパイ作戦および治安補助業務に拡大し、戦闘警察はおもに反政府デモ、ストライキなどの現場に投入された。また、一九八三年には増大する集会やデモに対処するため、治安需要の増加を理由に戦闘警察隊設置法を改定、義務戦闘警察隊が新設され、若者が軍の兵役に代わってそこに配置されるようになった。

 この戦闘・義務警察制度は、政権を保護するために、軍人をデモの鎮圧や対市民治安業務に動員しており、軍と警察の組織および任務の区分という憲法上の国家構成原理に違反しているため、違憲だとの指摘があり、廃止を求める声が強い。

 盧武鉉政権は、二〇一二年までに戦闘・義務警察制度を廃止するとしたが、李明博政権後に就任した魚長官は、戦闘・義務警察制度を維持する方向で政策を推進すると明らかにした。

 BSE対策国民会議は同日、記者会見を開き、「戦闘・義務警察制度の廃止が留保されている現状で、戦闘・義務警察制度と警察機動隊が同時に運営されることになり、機動隊が過去の白骨団のような役割を担うことになる」とし、「逮捕専門担当部隊の新設は、事実上白骨団の復活」であると批判した。

 また、「白骨団の悪夢のような暴力も、時代を超えて再び現実になろうとしている」「李明博政権が主張する『失われた十年』というのが、まさに白骨団を失った十年だというのか」と厳しく批判した。

 李明博政権が、国民の声を無視したまま軍事政権時代と同じ統治手法を繰り返すなら、その末路も軍事政権と同じものになるだろう。

  プリントプレビュー
削除修正

 NAME  中央本部    DATE  2008.08.13 - 08:04
【解説】日本の内閣改造を韓国はどう見るか(08.08.15)

【解説】麻生幹事長へ警戒感強まる/再度右傾化が強まると予想

    日本の内閣改造を韓国はどう見るか

 福田首相は一日の自民党三役人事に続いて、二日には十七人の閣僚のうち十三人を入れ替える大幅な内閣改造を行った。李明博大統領と同じように支持率の低迷に悩む福田首相は、来年九月に迫った衆議院議員の任期切れをにらみ、「総選挙の顔」として「国民的な人気が高い」とされる麻生太郎氏を自民党の幹事長に起用した。一方、六者協議の合意履行と、朝米関係の変化によって、朝鮮半島を中心とする東アジア情勢が平和へと大きく動きだしているにもかかわらず、朝日関係の進展にブレーキをかけ続けてきた町村官房長官、高村外相だけでなく、拉致担当の中山恭子氏を留任させたことに、驚きの声があがっている。

 韓国のメディアは日本の内閣改造について、いっせいに詳しく報道した。とくに、自民党幹事長に復帰した麻生氏に対しては、「右翼政治家の代表」(韓国政府関係者)と説明。もっとも保守的な朝鮮日報は「安倍晋三前首相に劣らぬ極右的政治性向と分類される」と指摘した。

 韓国のメディアの関心は、麻生氏に集中している。それは、福田内閣の寿命がそれほど長くはないと予想しているとともに、次期首相の第一候補へ復帰した麻生氏の右翼的な政治性向を強く警戒しているからだ。

 東亜日報は二日付の東京特派員の記事で、「最近、連立与党の公明党は『人気のない福田首相では総選挙を闘えない』とやんわりと(福田首相に)早期退陣を迫った」とし、「麻生氏は幹事長職を受諾することで、党の運営権を掌握し、福田総理が所属する最大派閥の町村派の支援が確保できれば、次期首相に一歩近づく」と指摘した。

 同記事は続けて、「麻生前外相は『創氏改名は朝鮮人が望んだので行ったこと』だとの妄言をしたことがあり、彼の父が日本の朝鮮植民地支配の時代に、約一万人の朝鮮人徴用者を強制労働させた麻生炭鉱を経営するなど、韓国との『悪縁』がある」と締めくくった。

 ハンギョレ新聞も同日付の特派員記事で、「日本の強硬右派政治家の麻生太郎前自民党幹事長が、十か月ぶりに華麗な復帰を果した」と麻生氏に焦点をあて、「妄言をくり返す麻生氏の再登板は韓日、韓中関係にも波乱を呼ぶ可能性がある」と指摘した。

 同記事はあわせて、先の「創氏改名」発言など、麻生氏の問題発言を詳しく紹介した。「日本はハングルの普及に貢献した」(〇三年、東京大学学園祭での講演)、「日本が植民地統治した台湾の義務教育に力を注いだ結果、台湾も非常に教育水準が高まった」(〇六年二月四日、福岡での講演)、「(米下院に提出された「慰安婦」関連決議案のうち「日本軍の強制性奴隷」との記述に対して)客観的な事実にまったく基づいていない。非常に遺憾だ」(〇七年二月十九日、外相として衆議院での答弁)。これは麻生氏の再登場に対する危機感の現われだといえるだろう。

 福田内閣の支持率上昇をねらっての麻生氏の起用だったが、それは思うようにいかなかった。この点について中央日報は六日付の記事で「内閣改造以後も福田内閣に対する支持率は二四%(朝日新聞)と、足踏み状態だった。結局、福田首相は早ければ年末、衆院を解散して総選挙を実施し、再信任を問うほかないという分析が支配的だ」と明らかにした。しかし、同記事が最も注目したのは、日本の世論が「次期首相にふさわしい人」の第一位に「靖国神社参拝が当然だという持論の超強硬保守右派政治家」の麻生氏を選んだ事実だ。

 同記事は、日本経済新聞が二、三日に実施した世論調査で、「これからの首相にふさわしい人」という質問に麻生氏が二〇%で一位、続いて小泉元首相が一三%だったことを紹介、「麻生氏が首相になれば、福田首相によってやや弱まった日本政界の保守右傾化の風が強く吹く可能性が高い。彼は小泉元首相の靖国神社参拝問題で、韓国や中国などから批判の声が高まったとき『天皇夫妻が靖国神社に直接参拝しなければならない』と主張し、波紋を投げかけた」と指摘した。そして、これは「麻生氏の家系と政治的歩みを見れば、容易に理解できる」とし、麻生炭鉱と朝鮮人強制連行、強制労働の問題とともに、「吉田茂元首相の外孫である麻生氏は、幼いころから日本優越主義教育を受け、日本の皇族たちが通う学習院大学を卒業している」と、「麻生首相」に懸念を表明した。

 麻生氏は、自民党幹事長に就任早々の四日、民主党出身の江田五月参議院議長に就任あいさつをした席で、ナチス・ドイツに例えて民主党をけん制した。麻生氏は「かつてドイツはナチスに一回やらせようとなって、ああいうことになった」と述べた。

 民主党の鳩山幹事長は「民主党をナチスと同じ扱いにするのは許し難い暴言だ。看過できない。党として謝罪を求める」と反発した。

 韓国内のメディア、韓国民の憂慮を裏付ける今回の舌禍騒動だ。それでも麻生氏には「国民的な人気」があり、「次期首相にふさわしい」とする日本の空気。これこそが問題の根源だということなのだろう。

(田泰淳記者)

  プリントプレビュー
削除修正
第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【トップ】統一マダンが大盛況 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【主張】統一・平和・和解に向けて 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【記事1】ブッシュ訪韓反対で1万人 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【記事2】北京オリンピック開幕 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【記事3】韓米首脳ソウルで会談 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【記事4】朝鮮人犠牲者の追悼シンポ開催 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【記事5】第5回在外同胞NGO大会開く 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【焦点】独裁時代へ急速に回帰 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【解説】日本の内閣改造を韓国はどう見るか 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【インタビュー】統一マダン参加の権海孝氏に聞く 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【紹介】写真集出した在日3世 金純希さん 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【読書案内】『わたしの戦後出版史』 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【詩】嘘のような話 民族時報 第1142号(08.08.15)

Simple view *^^*【短信】おもな出来事 民族時報 第1142号(08.08.15)


影書房


2007年6月刊

http://www.kageshobo.co.jp/

  
黄英治(ファンヨンチ)
記憶の火葬
在日を生きる―いまは、かつての〈戦前〉の地で

かつての宗主国・日本の地で、旧植民地人である朝鮮人が生きるとはどういうことか――在日一世の父の死に臨み、その苦難の半生に思いを重ねつつ自己の存在をみつめた「労働者文学賞」受賞の表題小説のほか、日本社会に根を張り続ける民族差別の実態をリアルな生活実感から問うエッセイ、書評等を収録する。

四六判上製 286頁
定価 2800円+税
ISBN978-4-87714-370-1
                        

                      ⇒書籍を購入する